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イベントレポート

35年動く巨大システムをどう変える? 三菱UFJ銀行が挑む「VS Code×生成AI」によるメインフレーム開発革命

「ROIは出ない」それでも現場のモダナイゼーションを断行する理由

 セッションの後半、日本アイ・ビー・エムの金元隆志氏、本山英典氏、日本アイ・ビー・エム システムズ・エンジニアリングの田口智大氏を交えたパネルディスカッションでは、開発環境のモダナイゼーションを進めるモチベーションについて議論が交わされた。鈴木氏は「人材確保が最優先である」と即答している。メインフレームエンジニアの市場は年々縮小しており、古いツールのままでは若手エンジニアに興味を持たれないという危機感があるからだ。

 投資対効果(ROI)について問われると、鈴木氏は「短期的には数字として表れにくい」と認めた上で、将来にわたってシステムを維持・発展させるためには不可欠な投資であると語った。現場の反応としては、従来のやり方に慣れたシニアエンジニアからは戸惑いの声もある一方、若手エンジニアにとってはVS CodeやGitといったツールへの親和性が高く、導入の意義は大きいという。

 最後に鈴木氏は「ビッグバン的にシステムを一気に変更するハードルは高いが、できるところから変えていくことが重要」と振り返り、セッションを終了した。本事例は、大規模なレガシーシステムを持つ組織が技術的負債といかに向き合い、次世代の開発環境へと移行するかを示す一つのモデルケースとして、多くの示唆を含んでいる。

左から、日本アイ・ビー・エム システムズ・エンジニアリング株式会社 田口智大氏、日本アイ・ビー・エム株式会社 本山英典氏、三菱UFJインフォメーションテクノロジー株式会社 鈴木重統氏、日本アイ・ビー・エム株式会社 金元隆志氏
左から、日本アイ・ビー・エム システムズ・エンジニアリング株式会社 田口智大氏、日本アイ・ビー・エム株式会社 本山英典氏、三菱UFJインフォメーションテクノロジー株式会社 鈴木重統氏、日本アイ・ビー・エム株式会社 金元隆志氏

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近藤 佑子(編集部)(コンドウ ユウコ)

株式会社翔泳社 CodeZine編集部 編集長、Developers Summit オーガナイザー。1986年岡山県生まれ。京都大学工学部建築学科、東京大学工学系研究科建築学専攻修士課程修了。フリーランスを経て2014年株式会社翔泳社に入社。ソフトウェア開発者向けWebメディア「CodeZine」の編集・企画・運営に携わる。2018年、副編集長に就任。2017年より、ソフトウェア開発者向けカンファレンス「Developers...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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