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「ECHO」レポート byメシウス(AD)

最新バージョン.NET 10/Visual Studio 2026の登場が、開発者にいかなる価値をもたらすか──「ECHO 2025」開催

「ECHO 2025」開催レポート

生成AIの機能を実装するための数々の仕組みが新たに搭載

 現在のアプリケーション開発をめぐる技術トレンドとして、とりわけ注目されているのが、生成AIエージェントの実装である。具体的には、LLM(大規模言語モデル)を内包したエージェントに対し、例えばチャットや他のエージェントからのプロンプトで指示を与え、LLMがその指示に沿って外部のデータベースやWebなどを、ツールを介して検索して情報を収集。それにより何らかのアウトプットを生成するというアプリケーションの実現が求められるケースが増えている。

 こうした生成AIを利用したエージェントを実装するためのフレームワークとして、新たに「Microsoft Agent Framework」が登場してきている。そこでは、AIエージェントとマルチエージェントワークフローを構築するための統一基盤を提供し、エージェント開発やテスト、デバッグをインタラクティブに支援する「DevUI」と呼ばれるツールも用意。

 「このMicrosoft Agent Frameworkは、これまで皆さまが利用してきたSemantic KernelやAutoGenと呼ばれるフレームワークをベースに、それらを統合して新たに誕生したものです」と井上氏は説明する。

 また、AIを活用したエージェント開発の中で、もう1つ押さえておくべきポイントといえるのが、MCPを介した外部データソースとの連携強化である。エージェントの処理では、プロンプトの取得や外部情報の参照を含め、アクセスするデータソースもさまざまで、またLLMとそれらの連携を介在するSDKやツールも異なっており、当然、実装のあり方もそれぞれに違ってくる。そういった部分を、MCPサーバーという形で公開して、より簡便にLLM側から参照することができる。

 これについては、MCP用のC#のSDKが現在、パブリックプレビューとしてリリースされている状況だ。それを使うことにより、C#、.NETをベースに、MCPサーバーやクライアント側の実装がやりやすくなっている。例えばVisual Studio 2026においても、MCPサーバーを実装するためのプロジェクトテンプレートなどがすでに用意されている。

 また、マイクロサービスなど複数のサービス間を連携するアプリケーションを作っていくための総合的なソフトウェアのスタックである.NET Aspireも今回アップデートされている。.NET Aspire自体、ダッシュボードを通して、各種サービス間の連携やトレース、ログの管理などを一元的に行えるものだが、それが今回新たに「Aspire 13.0」という形で登場してきている。

 「.NETという表記が取れた理由は、.NETだけではなく、JavaScriptやPythonにまたがる統合的なインフラストラクチャとして、ダッシュボードを介しての管理が可能になっていることがあげられます」と井上氏は解説する。

 今回のAspire 13.0では、すでに述べたMCPサーバーをサポートする機能が搭載されている点が注目される。またAspireのダッシュボードの中から「GitHub Copilot Chat」を利用して、MCPサーバーを経由したログを分析するといったことも可能。したがって、何らかの不具合対応において、ログを分析しながらバグを検証して、ソースコードをアップデートしていきたいといった場面で大きな威力を発揮することになる。

 このように.NET 10およびVisual Studio 2026を使うことで、例えばアプリケーションへの生成AI機能の搭載など、開発者はさまざまな新たな価値を享受できる。そこで問題となるのが、既存のレガシーなアプリケーションをいかにモダナイズしていくかということだ。

 「例えば既存資産の依存関係が非常に複雑になっている、呼び出しているAPIがすでに廃止されている、あるいはそもそも規模が大きいプロジェクトをリファクタリングしなければならないといったこともあるでしょう。それらの対応には多大な手間と時間がかかりますが、セキュリティやパフォーマンスの観点からは、やはり最新バージョンにアップデートすることが得策です」と井上氏は語る。

 そうした.NETのアプリケーションのモダナイゼーションを支援しているのが、「GitHub Copilot app modernization」と呼ばれる、AIを活用したエージェントだ。Copilotが既存のソースコードを多角的に分析し、より安全かつスムーズに.NETのバージョンをアップグレードするための支援を行う。

 また、コードの単体テストを支援するツールとして用意されているのが「GitHub Copilot testing for .NET」である。現在はパブリックプレビュー段階で、Visual Studio 2026のインサイダービルドでのみ利用可能だが、このエージェントの活用により、Copilotがソースコードを分析して、必要なテストクラスやテスト用プロジェクト、ソースコード、ファイルを自動生成することができる。

 「これにより、プログラムの品質を担保するうえで欠かせない単体テストの実施に要していた膨大な労力を削減することができるわけです。ぜひ、お試しいただければと思います」と井上氏は言う。

 以上のように現在、最も注目される技術である生成AIの機能をアプリケーションに実装する、あるいはアプリケーション開発のプロセスでAIを活用して大幅な効率化を図るといった観点でも、.NET 10/Visual Studio 2026がもたらす開発環境は、まさに大きく進化を遂げている。現在利用している環境を、いち早くアップデートしていくことが、多大なメリットをもたらすことになるわけだ。

図2:MCPによるAI エージェントの強化
図2:MCPによるAI エージェントの強化

 プロンプトによる指示を受けたLLMが、データベースやWebなど外部の各種データソースを参照するにあたり、MCPサーバーを公開して、LLM側からのアクセスをより簡便に行うことができる。

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この記事の著者

丸谷 潔(マルタニ キヨシ)

 フリーランスライター。1963年生まれ。慶應義塾大学文学部卒。システム開発(メインフレーム、OS/2等)、IT関連雑誌・書籍の編集を経て現職。執筆領域はIT系全般、FA系など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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