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Windows PowerShell 入門

Windows PowerShell 入門(5)-制御構文

PoweShellにおける さまざまな制御方法

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foreah

 foreachはコレクションに含まれるすべての項目を順番に処理します。構文は次の通りです。

foreach文
foreach ($<項目> in $<コレクション>)
{
  <繰り返し実行するコードブロック>
}

 よく知られたコレクションの一つに配列があります。下記は配列変数$weekdayから値を1つずつ取り出して表示します。

foreachの例1
PS > $weekday = "Mon","Tue","Wed","Thu","Fri"
PS > foreach ($w in $weekday)
>> {
>> Write-Host $w
>> }
>>
Mon
Tue
Wed
Thu
Fri

 もう1つ例を示したいと思います。

 下記はGet-Serviceコマンドから返される項目でStatusが「Running」になっているサービス名を表示します(Get-Serviceコマンドレットはローカルコンピュータ上のサービスを取得します)。

foreachの例2
PS > foreach ( $s in Get-Service )
>> {
>>   if ($s.Status -eq "running")
>>   {
>>     Write-Host $s.ServiceName
>>   }
>> }
>>

breakとcontinue

 breakはループ制御(foreachforwhiledo)およびswitchのコードブロック内で出現した場合、そこでそのコードブロックを終了します。

 下記はforループによってコードブロックが5回繰り返される例ですが、ループ内で条件が満たされた場合はループ回数が5に到達する前にbreakによりループを終了します。実行結果を見ていただくと分かるとおり、breakが実行された以降のコマンドは実行されません。

break文の例
PS> for ( $i = 0; $i -lt 5; $i++ )
>> {
>>   if ( $i -eq 3 )
>>   {
>>     break
>>   }
>>   Write-Host $i
>> }
>>
0
1
2

 次にcontinueですが、continueが実行されると、実行フローはループの先頭へ移動し、次の反復処理を行います。breakと異なるのは、ループを終了しないことです。

 以下はif文で$i % 2が真の場合(計算結果が奇数)にcontinueが実行され、実行フローがループの先頭であるforに移動します。

 よって、実行結果は偶数が表示されます。

continue文の例
PS > for ( $i = 0; $i -lt 10; $i++ )
>> {
>>   if ( $i % 2 )
>>   {
>>     continue
>>   }
>>   Write-Host $i
>> }
>>
0
2
4
6
8

switch

 PowerShellにおけるswitch文は、他の言語同様、処理を分岐するほか、パターン照合や反復を行うことも可能です。いくつかの例と共に説明します。

 まず構文は次の通りです。

swich文
switch -options (評価する式)
{
  <パターン> {実行するコマンドブロック}
  <パターン> {実行するコマンドブロック}
:
  default    {実行するコマンドブロック}
}

 以下の例は$Yearを評価し、<パターン>と一致する箇所の{実行するコマンドブロック}を処理します。$Yearには"2008"をあらかじめセットしているので、コンソールウィンドウへは"今年"と表示します(例1)。

switch文の例1
PS > $Year = 2008
PS > switch ( $Year )
>> {
>>   2007 { Write-Host "昨年" }
>>   2008 { Write-Host "今年" }
>>   2009 { Write-Host "来年" }
>> }
>>
今年

 では、一致するパターンが2つある場合がどうなるかを見てみましょう。以下は一致するパターン"2008"が2つある例です(例2)。一致するパターンが2つあるので、結果として2つのパターンの"2008"に対応する{実行するコマンドブロック}を処理します。

switch文の例2
PS > $Year = 2008
PS > switch ( $Year )
>> {
>>   2007 { Write-Host "昨年" }
>>   2008 { Write-Host "今年" }
>>   2008 { Write-Host "This Year!"}
>>   2009 { Write-Host "来年" }
>> }
>>
今年
This Year!

 次に、先ほど学んだbreak文を使用する例を見てみましょう。先ほどの例に手を加え、最初のパターンにbreakを仕掛けてあります。その結果"今年"を表示し、処理を中断します(例3)。

switch文の例3
PS > $Year = 2008
PS > switch ( $Year )
>> {
>>   2007 { Write-Host "昨年" }
>>   2008 { Write-Host "今年"; break }
>>   2008 { Write-Host "This Year!"}
>>   2009 { Write-Host "来年" }
>> }
>>
今年

 次に、どのパターンにも一致しない場合に処理を行うdefault節についてみてみましょう。変数$Yearには"2006"が代入されているため、一致するパターンがありません。しかし、次の例のようにdefault節が設定されてあるので"一致するパターンなし"と表示します(例4)。

switch文の例4
PS > $Year = 2006
PS > switch ( $Year )
>> {
>>   2007 { Write-Host "昨年" }
>>   2008 { Write-Host "今年" }
>>   2009 { Write-Host "来年" }
>>   default { Write-Host "一致するパターンなし" }
>> }
>>
一致するパターンなし

大文字と小文字の区別

 通常、switch文は大文字と小文字を区別しません。大文字と小文字を区別するには、-casesensitiveオプションを使用します(例5)。

switch文の例5
PS > switch -case ("POWERSHELL")
>> {
>>   "powershell" {"小文字の方に一致"}
>>   "POWERSHELL" {"大文字の方に一致"}
>>   default {"一致なし"}
>> }
>>
大文字の方に一致

ワイルドカードの使用

 次に-wildcardオプションの使用方法について説明します。-wildcardオプションを使用すると、ワイルドカードによるパターン一致の評価を行うことができます。次の例は"P"で始まる文字列と"l"で終わる文字列の2種類をパターンとして指定しています(例6)。

switch文の例6
PS >  switch -wildcard ("PowerShell")
>> {
>>   "P*" { Write-Host "Pで始まる"}
>>   "*l" { Write-Host "lで終わる" }
>> }
>>
Pで始まる
lで終わる

正規表現の使用

 -regexオプションを使用すると、正規表現によるパターン一致の評価を行うことができます。次の例では、正規表現を利用して、文字列の先頭が"P"で始まっているパターン一致の評価を行います(例7)。

switch文の例7
PS > switch -regex ("PowerShell")
>> {
>>  "(^P)" {"PowerShell"}
>> }
>>
PowerShell

ファイル処理

 PowerShellのswitch文は他の言語とは異なり、ファイルの操作を行うことも可能です。ファイル操作を行うには-fileオプションを使用します。switchによるファイル操作は、1度に1行ずつ読み取りが行われパターンの評価が行われます。次の例では、PowerShellのコマンド一覧を保存したファイルから、"Get"で始まるコマンドレットの総数をカウントします。

 まずはじめに、次のようにリダイレクトを使用してPowerShellコマンドレット一覧をファイルへ保存します(例8)。

PS C:\Work> Get-Command | Select-Object {$_.Name} > PSCmd.txt

 次にswitch文に-fileオプションを指定し、"Get"で始まるコマンドレットを$Cnt変数にカウントアップします。

switch文の例8
PS C:\Work> switch -wildcard -file c:\work\pscmd.txt
>> {
>>   "Get*" { $Cnt++ }
>> }
>>

 最後に、"Get"で始まるコマンドレットがいくつあったかを表示してみます。

PS C:\Work> $Cnt
29

まとめ

 今回はPowerShellにおける制御構文について、例を交えながら説明してきました。特にSwitch文においては、他の言語を圧倒する機能の多さに驚かれたのではないでしょうか?

 次回は、これまでに説明してきた内容をもとに関数の作成方法について説明したいと思います。

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この記事の著者

HIRO(ヒロ)

HIRO's.NETのHIROです。とある半導体工場のSEです。VB.NET, C#, PowerShellによるプログラミングを楽しんでいます。最近はBlog でPowerShellについて書いています。2008/07/07にPowerShell from Japan!!というサイトを立ち上げまし...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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