日本Ruby会議2008ではトークセッション以外にも、イベントを彩る音楽や映像がIT系カンファレンスとは思えないほどとてもかっこよかったので、そのレポートをお届けします。
音楽と映像が醸し出すRubyの空気感
日本Ruby会議2008ではトークセッションが素晴らしいばかりでなく、セッションとセッションの合間合間の休憩時間に流される音楽がとてもかっこいい! こんなにBGMがかっこいいカンファレンスははじめてなので本当に感動した。コンピュータ系カンファレンスらしくデスクトップのエレクトロミュージックなのだが、キラキラしたテクノポップ調ではなく、ダブっぽい広がりのある音響サウンドがメイン。これが押し付けがましくなく、セッションに身を入れて疲れ切った脳みそを気持ちよくクールダウンしてくれる。
さらにその間ステージのスクリーンには、スタッフTシャツにもなっている奇妙な公式イラストが大きく映し出されている。この映像と音楽が相まってイベント全体にクールな雰囲気を与えていた。
まずこの面白いスタッフTシャツの公式イラストを描いたのが、_whyとしてRubyユーザーにはおなじみのwhy the lucky stiff - Wikipedia, the free encyclopedia氏(本名非公開)。ハンドル名しか公開していないがゆえに、編集ポリシーに反するとしてWikipediaの項目が編集合戦になったというステキな逸話を持つRubyプログラマーである。
Joel Spolsky編『BEST SOFTWARE WRITING』に一部が掲載された『Why's (Poignant) Guide to Ruby』(「ホワイの(感動的)Rubyガイド」青木靖 訳)の執筆者としても知られ、この本にも登場するキツネのキャラクターChunky Baconの作者でもある。日本Ruby会議のオリジナルTシャツは2006から引き続き担当している(2006では、参加者に配布するノベリティとして)。
なお、今回の参加者に配られたイベントグッズはご時世を反映して自分でデザインできるオリジナルエコバッグとタンブラーのセットだったが、ここでもChunky Baconは大活躍だった。
RubyKaigiオリジナルトラックもリリース
さてBGMサウンドだが、選曲は、音響を担当したスタッフののりお氏によるもの。のりお氏は『Rails of Ruby on Rails』というプログラミング系書籍としてはケタ違いにデザイン的に凝った書籍の著者でもあり、同書は自身でデザインしている。今回のBGMには、RubyKaigiオリジナル楽曲(Kuramu氏制作)のほか、_why氏による「why's (poignant) guide to ruby」サウンドトラック、そしてドイツはライプツィヒのラップトップ・ダブミュージックのレーベル「JAHTARI Records」の曲が使われている。
これらのイラストやサウンドは、日本Ruby会議2008公式ページにおまけとしてまとめられている。音源はなんとすべてクリエイティブコモンズのライセンスで公開されていて、自由にダウンロードして楽しむことができるのも魅力だ。のりお氏セレクションの音源をつくばの会場で耳にしたひとも、ネット中継で聞いたひとも、耳にする機会がなかったひとも、この機会に改めて聴いてみてはどうだろうか。
コーディングや言語設計のみならず、デザインやサウンドでもオリジナティとオープンソースらしさを見せ付けたRuby。今回の会議のテーマである「多様性」はこういうところにも現れているのかもしれない。
- 修正履歴
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- 2008/06/26 11:19 日本Ruby会議のオリジナルTシャツ担当のくだりを修正しました(2007⇒2006)
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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