マーケティングに必要なのは「情報感度」
PCマーケットの生き残り競争がますます激化する中で、圧倒的な存在感を誇るHP(ヒューレット・パッカード)。折りしも、国内では、「5万円ノート」と呼ばれるUMPC(ウルトラモバイルパソコン)が大ブレイクしている。HPも大いに売り上げを伸ばしているという。
その立役者の1人が、パーソナルシステムズ事業統括 モバイル&コンシューマビジネス本部 プロダクトマネージャの菊地友仁氏だ。日本における、HP製パソコンに関するあらゆるマーケティングを一手に担う人物である。入社してしばらくはエンジニアだったが、部署を異動して現職についた。
「HPのプロダクトマネージャの大きな特徴は、非常に少人数で全製品を担当する点にあります。他社では1人の担当者が1機種を手がけているようですが、当社は約20製品あるPCのラインナップをごく少数で見ています。仕事の内容も、ローカライズ、プライシング(価格設定)、損益管理、フォーキャスティング(市場予測)、そしてプロモーションまで全部です。この背景には、『少ないリソースでビジネスを最大化する』という、HPの世界共通のミッションがあります」
ここまで幅広い分野を手がけるところもめずらしいだろうが、PCマーケティングを担う人に共通して求められるビジネススキルとは、いったいどんなものだろうか。
「まず、情報への感度ですね。私たちが売っているのはPCですが、コンシューマがPCを買おうとするときに、比較対象となるのはPCだけではありません。予算を仮に20万円程度とした場合、薄型液晶TV、ブルーレイディスクレコーダ、はたまた旅行……と実に幅広い競争相手がいる。だから、PCのことだけを考えるのではなく、普段から社会の動向を広くリサーチすることが大切です。また、PCの場合、何が原因で売れたという効果測定が非常に難しい。だから、我々も必死で情報を集めています。こうした情報を分析し、実際のマーケティングに向けていく勘所も必要でしょうね」(この続きはCAREERzineでどうぞ!)