Apacheが動作する仕組み
XAMPPに同梱されているソフトウェアの中でも、特に重要なのが「Apache」です。Apacheは、コンピューターをWebサーバーとして動作させるために必要なソフトウェアです。
Apacheの役割を端的に言うと『Webクライアント(ブラウザ)からの受付窓口』です。コンピューターにHTMLやPHPのファイルを単純に置いただけでは、Webクライアントからアクセスできません。そのため、このApacheなどのサーバーソフトウェアが必要になります。下図は、前回のWebページ表示の概念図にApacheも登場人物として加えたものです。
Apacheは、Webクライアントから要求があった場合、サーバー内の「監視フォルダ」からHTMLやPHPファイルを探し出します。XAMPPをインストールした今回の場合は、「Cドライブ」→「xampp」→「htdocs」がその監視フォルダになります(※注3)。ここに、前回のサンプルソースファイル「omikuji.php」を置いてみましょう。
今後フォルダやファイルのPC内での所在を示す場合「C:\xampp\htdocs」のような形式で表記します。これは、「Cドライブ」の中にある「xampp」フォルダの配下の「htdocs」というフォルダを意味します。
次に、Webブラウザで「http://localhost/omikuji.php」にアクセスします。
おみくじの結果が表示されたはずです。アクセスしたURL「localhost
」には「.com
」や「.co.jp
」などが付いておらず、違和感を覚えたかと思います。localhost
とはそのコンピュータ自身を表す特殊なアドレスです。自分のコンピューター内に、WebサーバーとWebクライアントの2つの役割が共存しているイメージを思い浮かべてください。
前回は「http://nextia.jp/demo/omikuji.php」というURLにアクセスする事で、おみくじを行いました。これは、インターネット上のどこかにある「nextia.jp
」という名前のコンピュータにインストールされているApacheの監視フォルダの中に、更に「demo」というフォルダがあり、その中に「omikuji.php」が置かれているという事です。このnextia.jp
の部分を「ドメイン名」と呼びます。お名前.comなどのサービスを利用して取得することで、使用できます。ドメイン名、その他ネットワーク環境を整えれば、「http://example.com/omikuji.php
」などのアドレスで、自分のコンピュータ内にあるおみくじサイトに、外部のコンピュータからインターネットを経由してアクセスさせる事も可能です。
次回からはいよいよPHPの文法へ
今回はXAMPPをインストールし、Webアプリケーションの制作に必要な環境を整えました。次回からは、いよいよPHPの文法を解説していきます。
- コンピューターをWebサーバーとして動作させるためにはApacheなどの「サーバーソフトウェア」が必要
- 「サーバーソフトウェア」は、Webクライアントからの受付窓口
- 「
localhost
」は、コンピューター自身を意味する特殊なURL - 外部のコンピューターから自身のWebサイトにアクセスできるようにするには、まず「ドメイン名」を取得する必要がある