マジカルシミュレータ
マジカルシミュレータは、単体でも、マジカルスプーンプログラムによる学習のコアを行える機能を備えています。図5に、シミュレータの機能遷移の様子を示します。シミュレータでは、まずコードセットの設計(あるいは保存してあるコードセットの呼出し)と基板への登録が必要です。このコードセットを元に、コード列の設計と呼出し、および1コードの入力が行えるようになります。

図6に、コードセットの設計(①)、基板への登録(②)、スプーンによるコードの入力(③)のインターフェースを示します。ここでは、専用のダイアログボックスで、スプーン指令となるコードセットの設計を行います。■をスプーンを叩く(=1)、□をスプーンを叩かない(=0)として、8種類の飛行船の動きを3ビット+1パリティで定められたコードセットは、シミュレータによってその論理的な適切性がチェックされます。論理的に適切なコードセットだけが指令受信部基板に登録されます。重複するコードや適切でないコードがあれば、修正を促すメッセージが表示され、基板への登録は行われません。そして、スプーンによって適切な指令が入力されると、受信した指令をコードとして解釈し、シミュレータ上に表示し、画面上の飛行船モデルを動かします。

図7に、コード列の呼出し(④)とコード列の再生(⑤)の様子を示します。コード列は、指令の種類(□と■の並び)とその指令が発行される相対時間との1つ以上のペアとして構成されています。特定のコードセットとの対応でコード列は初めて意味を成します。そのため、コードセットが基板に登録された以後でないとこの機能は有効にはなりません。コード列の再生はインターフェース上のボタン操作で開始されます。発行される指令に従い、画面上の飛行船モデルが動くことになります。

図8に、入力コードの記録(⑥)の様子を示します。連続的なコード入力(⑦)を記録していくことで、コード列を生成していきます。記録の開始・終了・再生は、インターフェース上のボタン操作で指示します。

マジカルスプーンの教育展開
筆者らは、2005年度よりこのマジカル教材を用いて、児童生徒向けのマジカル・ワークショップ、および高校/大学の先生向けの指導事例開発ワークショップなどを展開しています。
また、2006年度からは高校の正規授業に組み込まれ、延べ17高校での授業実践がなされています(2008年1月現在)。これまでに約2,000名の高校生が本プログラムを用いて、情報のデジタル化(特に、符号化と標本化)に関して学びました。
マジカルスプーンで学んでいるのは高校生だけではありません。マジカル・ワークショップの参加者には、就学前の5才児や小学生低学年の児童も含まれます。彼らにとって、コードセットの設計は、数遊びとして捉えられるようです。難なく、4ビットのコードセットを組み上げ、スプーン指令を送信していく様子は、将来の情報エンジニア/組込みエンジニアの姿を彷彿とさせます。
関連情報
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