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Zend Framework入門

PHPアプリからFlashコンテンツにアクセスしよう - Zend_Amf -

Zend Frameworkによる実践的なPHPアプリケーション開発 21


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 本連載では、PHP上で動作するアプリケーションフレームワークであるZend Frameworkについて紹介していきます。今回はAdobe Flash Player(以下、Flash)とZend Frameworkの橋渡しをするモジュール「Zend_Amf」の紹介を行います。

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はじめに

 本連載では、PHP上で動作するアプリケーションフレームワークであるZend Frameworkについて紹介していきます。今回はAdobe Flash Player(以下、Flash)とZend Frameworkの橋渡しをするモジュール、Zend_Amfの紹介をします。

 Zend_AmfのAMFはAction Message Formatの略で、Flashとサーバとの間で情報のやりとりをするためのフォーマットです。Zend_Amfを利用すれば、手軽にFlashからのリクエストを受けたり、処理の結果を返したりできます。

対象読者

 PHPの基本構文は一通り理解しているが、フレームワークを利用したことはないという方を対象としています。

必要な環境

 Zend FrameworkはPHP 5.2.3以降とWebサーバがインストールされている環境で利用可能です。本稿ではWebサーバとしてApache 2.2を、OSにWindows XPを採用し、アプリケーションを作成していきます。

 以下に、今回アプリケーション作成/動作確認に用いた環境を示します(インストールにあたっては最新安定版の使用を推奨します)。各項目の詳細なインストール手順は、「サーバサイド技術の学び舎 - WINGS」より「サーバサイド環境構築設定手順」を参照ください。

  • Windows XP SP2
  • PHP 5.2.8
  • Apache 2.2.11

 LinuxやFreeBSDなどUNIX系OSを使用している方もコマンドはほぼ一緒ですので、パスなどは適宜読み替えてください。

 また、今回の記事ではFlex 3 SDKを利用してFlashのサンプルを作成しました。Flex 3 SDKのインストール方法については、改めて後述します。

 なお、Flashアプリの開発については本稿の範囲を越えてしまいますのでここでは扱いません。こちらについてはアドビのサイトにあるチュートリアルが参考になると思います。このチュートリアルは、基本的にはFlexのための統合開発環境であるFlex Builderの利用を前提にした、Flashアプリの開発についての解説になっています。

 本稿で使っているFlex 3 SDKを用いたアプリの開発については、英語での解説になりますが、Adobe - Flex Developer Center: Quick Startsが参考になります。

Zend_Amfの動作

 Zend_AmfはFlashからのリクエストを処理するモジュールです。今回はFlashからのテキスト受け取り、そのテキストに現在の時刻をあわせて返すサンプルを作成することについて考えてみます。そのために、まずFlashとZend_Amfの間での情報のやりとりの流れから見ていきましょう。

 Flashからのリクエストを実際に処理するのはZend_Amf_Serverクラスのオブジェクトです。Flashから送られて来たリクエストを受け取り(図1(1))、リクエストを解析し適切なメソッドを選び(図1(2))、そのメソッドによる処理の結果をFlashへ返します(図1(3))。

図1:Zend_Amfの動作の流れ
図1:Zend_Amfの動作の流れ

 実際に処理を行うのはメソッドは、通常はZend_Amf_Serverに登録された外部のものです。図1に対応する処理の流れをコード風に表現するとリスト1のようになります。

[リスト1]Zend_Amf利用の流れ
$server = new Zend_Amf_Server();

//(0)実際に処理をするメソッドの登録
$server->addFunction('関数1');
$server->addFunction('関数2');
...

//(1)(2)リクエストの解析と実際の処理
$result = $server->handle();

//(3)処理の結果を返す
echo $result;

 なお、Zend_Amf_Serverのメソッドのうち、主なものを先に紹介しておきます。

Zend_Amf_Serverの主なパブリックメソッド
分類 メソッド名 引数 説明
登録 setClass $class, $namespace, $argv $classはクラス名ないしオブジェクトで、$classのメソッド全てをAMFを処理するメソッドとして登録する。$namepsaceはAMFから呼び出される際のネームスペース。$argvは$functionが呼び出された場合に追加される引数。$namespace、$argvは省略可能。
addFunction $function, $namespace,... $functionは追加したいメソッドの名前ないしコールバック関数。$namespaceはAMFから呼び出される際のネームスペース。それ以降に引数があった場合には、それらの引数は$functionが呼び出された場合に引数に追加される。$namespace以降は省略可能。
addDirectory $dir 登録したメソッドを含むクラスの定義ファイルが格納されているディレクトリ$dirを追加する。
getDirectory (なし) メソッドが格納されているディレクトリを配列で返す。
getFunctions (なし) 登録されているメソッドの配列を返す。
listMethods (なし) 登録されているメソッドの名前の配列を返す。
実行 handle $request クライエントから受け取ったAMFを処理する。引数の$requestは省略可能で、その場合の値はnull。
その他 setClassMap $asClass, $phpClass アクションスクリプト(Flashアプリ側のソースファイル)のクラス$asClassとPHPのクラス$phpClassを対応づける。
setProduction $flag 製品版モード(エラーがあっても無闇に出力しないモード)にする。
isProduction (引数なし) 製品版モードになっているかを返す。

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この記事の著者

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

WINGSプロジェクト 風田 伸之(カゼタ ノブユキ)

WINGSプロジェクトについて>有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS X: @WingsPro_info(公式)、@WingsPro_info/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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