ASP.NET AJAX 4.0
ここからは、ASP.NET AJAX 4.0でASP.NETのAJAX開発がどのように進化を遂げたのかを見ていきたいと思います。
ASP.NET AJAX 4.0の特徴
ASP.NET AJAX 4.0では、それ以前のAJAXがUpdtePanelを使ったサーバーサイドのAJAXに目を向けたものだったのに対し、JSON + DHTMLを主とした「クライアントサイドのAJAX」に目を向けた機能拡張が行われているという特徴があります。
ASP.NET AJAX 4.0で提供予定の主な機能を次に挙げます。
<Ready>マークがついているものはVisual Studio 2010 Beta1に含まれるバージョンで提供済みのものです。
- <Ready> テンプレート
- <Ready> バインディング(ライブバインディング)
- <Ready> コマンドバブリング
- <Ready> 宣言的なコントロールとデータの定義
- <Ready> ADO.NET Data Servicesとの連携
- <Ready> リファクタリングされたAJAXライブラリ
- jQueryのサポート
- クロスドメインリクエスト
- アクセンシビリティの向上
- 新しいブラウザ及びHTML5への対応
- Silverlightとの統合
ASP.NET 4.0のロードマップはCodePlexで公開されています。
ASP.NET AJAX 4.0で追加された機能のうち、特にテンプレートとバインディングがサポートされたことにより、JavaScriptによるWebサービスと連携シナリオが今までよりも現実的なものになりました。
前編では、このバインディングとテンプレートについて簡単な解説を行います。
途中、DataViewなどクライアントコントロールが出てきますが、詳しい解説は後編に行いますので、ここでは大まかに、Webサービスで取得したデータがテンプレートを使うと簡単に表示できるんだなーという程度の理解でかまいません。
ScriptManagerコントロールによる、スクリプトの参照
ScriptManagerコントロールは、ASP.NET AJAXのコントロールやExtenderに含まれるRequiredScript属性、ScriptReferenceオブジェクトに指定されたスクリプトからダウンロードするスクリプトを決定します。
ScriptManagerコントロールをWebフォームに配置すると、既定ではASP.NET AJAXの中核ライブラリであるMicrosoftAjax.jsとMicrosoftAjaxWebForm.jsが自動的にダウンロードされます。
ただし、今回利用するテンプレートや次回紹介する予定のADO.NETとの連携を行う機能を利用する場合は、プログラマーがリスト1のようにダウンロードするスクリプトをScriptManagerに教えてあげる必要があります。
<asp:ScriptManager ID="ScriptManager1" runat="server">
<Scripts>
<asp:ScriptReference Name="MicrosoftAjaxTemplates.js" />
</Scripts>
</asp:ScriptManager>
ScriptManagerコントロールのScripts要素では、JavaScriptを参照したり、Webディレクトリに配置されたスクリプトを参照したりすることができます。リスト1ではSystem.Web.Extensions.dllにリソースとして含まれる、MicrosoftAjaxTemplates.jsを読み出し参照に追加しています。
リファクタリングされたAJAXライブラリ
ASP.NET AJAXのコア機能はMicrosoftAjax.jsファイルに含まれるスクリプトから提供されています。ASP.NET AJAX 4.0では、このMicrosoftAjax.jsに大きくリファクタリングが行われ、必要な機能のみをダウンロードして利用することができます。
Visual Studio 2010 Beta1のSystem.Web.Extensions.dllには、次の12個のJavaScriptが含まれています。
System.Web.Extensionsに含まれるJavaScript
- MicrosoftAjax.js
- MicrosoftAjaxCore.js
- MicrosoftAjaxComponentModel.js
- MicrosoftAjaxSerialization.js
- MicrosoftAjaxGlobalization.js
- MicrosoftAjaxHistory.js
- MicrosoftAjaxNetwork.js
- MicrosoftAjaxWebServices.js
- MicrosoftAjaxApplicationServices.js
- MicrosoftAjaxWebForms.js
- MicrosoftAjaxTemplates.js (新規)
- MicrosoftAjaxAdoNet.js (新規)
このうち下の3つのスクリプト以外は、MicrosoftAjax.jsをリファクタリングした結果、分割されたJavaScriptです。Microsoft AJAX 4.0のクライアントライブラリの全体像を図3に示します。

分割されたスクリプトを利用する場合は、ScriptManagerコントロールのMicrosoftAjaxModeプロパティを利用します。MicrosoftAjaxModeプロパティに設定する値とその説明を表1に示します。
| 値 | 説明 |
| Enabled | 既定値です。MicrosoftAjax.jsとMicrosoftAjaxWebForm.jsを暗黙的にダウンロードします。 |
| Explicit | MicrosftAjaxWebForm.jsはダウンロードされますが、MicrosoftAjax.jsはダウンロードされません。ScriptReference属性で必要なスクリプトを指定する必要があります。 |
| Disabled | MicrosoftAjax.jsとMicrosoftAjaxWebForm.jsはダウンロードされません。 |
このうちExplicitを設定した場合は、MicrosoftAjaxWebForm.jsはダウンロードされてしまいます。MicrosoftAjaxWebForm.jsが依存する次の4つのスクリプトをReferenceScriptオブジェクトを利用してScriptManagerオブジェクトのScript要素に追加する必要があります。
- MicrosoftAjaxCore.js
- MicrosoftAjaxComponentModel.js
- MicrosoftAjaxSerialization.js
- MicrosoftAjaxNetwork.js
ASP.NET以外からのASP.NET AJAXの利用
Microsoft AJAX Library自体は、ASP.NETから切り離された単なるJavaScriptの集まりです。このためCodePlexのASP.NET AJAXサイトからJavaScriptをダウンロードし、リスト2のように参照に追加することで、ASP.NETのほかのバージョンやPHPなどのほかのサーバー技術を使用する環境でも利用することができます(※ダウンロードしたスクリプトがWebサイトのScriptsフォルダに配置されていることとします)。
<script type="text/javascript" src="Scripts/MicrosoftAjax.js"></script> <script type="text/javascript" src="Scripts/microsoftAjaxTemplates.js"></script>
