はじめに
FlexとRIAに関する基本知識から開発方法の基礎を習得していただくことを目的とする連載です。対象とする読者は次のような方です。
- デザイナーでFlex、RIAの概要や開発方法を知りたい方
- PHP、Perl、J2EEなどのWebアプリ開発者でFlex開発に興味がある方
- FlashやDreamweaverでサイト構築をしている方でFlex開発に興味がある方
つまり、プログラミングの経験を問わず、RIAの概念、Flexの基本を理解したうえで、シンプルなFlexアプリケーションを作成できることを目標とします。
第2回目はプログラミングの経験がない方のために、最低限必要な知識を身につけていただくことを目指して、Flex開発のためにもっともベーシックとなるトピックをご紹介します。
これまでの連載
必要なソフトウェアとファイル
- Flex SDK
- Flex Builder3
必要な前提知識
前回の記事「これからはじめるRIAとFlexプログラミング ~第1回 RIAの基本とFlexの優位点~」の記事をお読みいただき、RIAの基礎概念とFlexの概要を把握してください。
学習できること
- ソースファイルとプログラム開発の基礎知識
- コンパイルの基本概念とFlexコンパイラ
- コンポーネントの基本概念とFlexコンポーネント
- Flex Builderでコンポーネントを使う
- ライブラリの基本概念とActionScriptクラスライブラリ
- テストとデバッグ
1. ソースファイルとFlexコンパイラ
ここでは、プログラミング用語や知識の基本的な事柄を確認します。Flexで実用的なアプリケーションを作成するには、プログラミングの知識が豊富であるほど有利です。
アプリケーション開発には必ず「ソースファイル」とか、「プログラムソース」呼ばれるテキスト形式のファイルを作成します。単に「ソース」と呼ぶこともあります。
使用するプログラム言語の文法に従ってソースファイルにプログラムを記述してゆく作業が、プログラム開発ということができます。
Ⅰ.Flexソースファイルの例
ソースファイルの例を見てみましょう。最もシンプルなFlexアプリケーションのソースファイルは次のようになります。このFlexソースファイルはMXMLというプログラム言語で記述されています。このソースをテキストエディタで入力してコンパイルすれば、最もシンプルなFlexアプリケーションが完成します。コンパイルする前にファイルとして保存する必要があります。MXMLソースの場合、「index.mxml」のように「.mxml」という拡張子を付けて保存します。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?> <mx:Application xmlns:mx="http://www.adobe.com/2006/mxml"> </mx:Application>
Flexアプリケーションのソースファイル形式は次のような拡張子で保存します。
開発言語 | 拡張子 |
Mxml | .mxml |
ActionScript | .as |
II.コンパイルとコンパイラ
コンパイル
アプリケーションがソースファイルというテキスト形式のファイルで作成されることがわかりましたが、テキストファイルで記述したプログラムは、通常そのままでは動作しません。プログラムソースの文法をチェックして、SWF形式に変換するために、「コンパイル」という処理が必要になります。
Flexコンパイラ
このコンパイル処理を行う専用のプログラムが「コンパイラ」と呼ばれます。また、コンパイルを行って実行できる形式のファイルを生成するまでの一連の処理を「ビルド」と呼びます。
Adobeでは、Flexアプリケーションをコンパイルしてビルドまで行う「Flexコンパイラ」を無償で提供しており、このFlexコンパイラでソースのビルドを行うことができます。
Flexソースファイルは、Flexコンパイラによってビルドされると、最終的にSWFファイルが生成され、Flash Playerで実行可能な形式になります。このSWFファイルがFlexアプリケーションの本体です。
Flexコンパイラはmxmlcという名前で、SDKフォルダは以下のbinフォルダに格納されています。ビルドはコマンドラインで
> mxmlc flexソースファイル
と入力して行います。