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Webアプリケーションフレームワーク「Catalyst」入門

初めてのCatalyst入門(4) URLパスとリクエストパラメータ

リクエスト情報やパラメータ、日本語文字列などのデータの取り扱い方法


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 本連載では、Perlで実装されたWebアプリケーションフレームワークであるCatalystについて、基本的な仕組みや実装方法などをサンプルを交えて紹介していきます。第4回目の今回は、アクションで受け取ったリクエスト情報から、パラメータの取り扱い方、さらにUTF-8を使用した日本語文字列の扱いなどについて説明していきます。

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はじめに

 前回では、コントローラについて、アクション定義に必要なアトリビュート、組み込みアクションなどについて紹介しました。他のWebアプリケーションフレームワークでは、URLとアクションを別ファイルによって結びつけているものもありますが、CatalystではアトリビュートによってURLとアクションを結びつけていることがご理解いただけたと思います。

 本記事では、URLパスの一部を引数として受け取る方法、リクエストパラメータの取り扱い方などについて説明していきます。またCatalystはバグフィックスなども含めて頻繁にアップデートされていますので、最初にCatalystのアップデートについても説明します。

 では、アクションで受け取ったリクエスト情報から、パラメータの取り扱い方、さらにUTF-8を使用した日本語文字列の扱いなどについて説明していきます。

対象読者

  • Perlで簡単なスクリプトを作成したことのある方
  • Webアプリケーションの基本的な仕組み(HTTPリクエスト、レスポンスなど)についての知識のある方

これまでの連載

必要な環境

 本連載で紹介するサンプルなどで実行している環境は次の通りです。

CentOS 5.3
  • Perl 5.8.9
  • Catalyst 5.80013

 また、動作確認を行ったWindowsの環境は次の通りです。

Windows Vista
  • ActivePerl 5.8.9 Build 826
  • Catalyst 5.80011

Catalystのアップグレード

 連絡開始時にはCatalyst::Runtimeのバージョンは、5.80007でしたが、4回目執筆時点での最新バージョンは、5.80013となっています。

 ここで、Catalystおよび依存関係のあるモジュールのアップデートを行ってみましょう。なお、第1回目の記事で紹介したcatalyst.plコマンドの「-short」オプションは、5.80013から廃止されました。

CPANを使用したアップグレード

 動作確認環境であるCentOS上ではCPANを使用してアップグレードを行います。ここではCatalyst::DevelCatalyst::Runtimeの2つをアップグレードします。rootユーザで次のコマンドを実行してください。

[リスト1]Catalystのアップグレード
# perl -MCPAN -e 'upgrade Catalyst::Devel'
# perl -MCPAN -e 'upgrade Catalyst::Runtime'

Perl Package Managerを使用したアップグレード

 Windows環境ではActivePerlに付属するPerl Package ManagerPPM)を使用してアップグレードを行います。PPMを起動するには、Windowsのスタートメニューから[すべてのプログラム]-[ActivePerl 5.8.9 Build 826]-[Perl Package Manager]を選択します。ここでも、Catalyst::DevelCatalyst::Runtimeをアップグレードインストールします。PPMのメニューから[View]-[Upgradable Packages]を選択して、アップグレード可能なすべてのパッケージを表示させます。この中から「Catalyst-Devel」と「Catalyst-Runtime」を探して、インストール対象とします。

PPMでCatalyst関連のPackageを検索した画面
PPMでCatalyst関連のPackageを検索した画面

 次に、メニューから[File]-[Run Marked Actions]を選択して、「Catalyst-Devel」と「Catalyst-Runtime」をインストールします。

モジュールのアップグレードに失敗したら

 Catalystは非常に多くのCPANモジュールに依存しており、それぞれのモジュールの依存関係によってはアップグレードに失敗することがあります。

 例えば「Catalyst::Runtime」のアップグレード時に「MooseX::MethodAttributes」に関連するエラーメッセージが出た場合、まず「MooseX::MethodAttributes」を先にアップグレードし、その後で「Catalyst::Runtime」を強制再インストールします。強制インストールするには、次のようにCPANコマンドを使用します。

[リスト2]CPANコマンドでCatalyst::Runtimeを強制インストール
# cpan -fi Catalyst::Runtime

 また、既にインストールされているモジュールをすべてアップグレードするには次のようなコマンドを実行します。

[リスト3]CPANモジュールをすべてアップグレード
# perl -MCPAN -e 'CPAN::Shell->install(CPAN::Shell->r)'

 またPPMを使っている場合にも、PPMコマンドを使用してまとめてアップグレードすることも出来ます。コマンドプロンプトを起動し、次のコマンドを実行します。

[リスト4]PPMでアップグレード可能なPackageをすべてインストール
C:\CodeZine>ppm upgrade --install

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サンプルアプリケーション

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この記事の著者

山田 祥寛(ヤマダ ヨシヒロ)

静岡県榛原町生まれ。一橋大学経済学部卒業後、NECにてシステム企画業務に携わるが、2003年4月に念願かなってフリーライターに転身。Microsoft MVP for Visual Studio and Development Technologies。執筆コミュニティ「WINGSプロジェクト」代表。主な著書に「独習シリーズ(Java・C#・Python・PHP・Ruby・JSP&サーブレットなど)」「速習シリーズ(ASP.NET Core・Vue.js・React・TypeScript・ECMAScript、Laravelなど)」「改訂3版JavaScript本格入門」「これからはじめるReact実践入門」「はじめてのAndroidアプリ開発 Kotlin編 」他、著書多数

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

WINGSプロジェクト 花田 善仁(ハナダ ヨシヒト)

WINGSプロジェクトについて>有限会社 WINGSプロジェクトが運営する、テクニカル執筆コミュニティ(代表 山田祥寛)。主にWeb開発分野の書籍/記事執筆、翻訳、講演等を幅広く手がける。2018年11月時点での登録メンバは55名で、現在も執筆メンバを募集中。興味のある方は、どしどし応募頂きたい。著書記事多数。 RSS X: @WingsPro_info(公式)、@WingsPro_info/wings(メンバーリスト) Facebook

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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