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「Adobe MAX 2010」総力レポート(AD)

トップ開発者達がAdobe MAXに注目する理由 ~ 開催直前! Adobe MAX 2010団結式に潜入取材

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 いよいよ開催が目前に迫った「Adobe MAX 2010」。10月初旬、都内某所で国内からのAdobe MAX参加者有志による団結式が開催された。参加者の声からAdobe MAXの見どころや注目ポイントを探る。

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開催が目前に迫ったAdobe MAX 2010

 Microsoftの「Tech・Ed」、Appleの「WWDC」、Googleの「Google I/O」など、世界中から注目を集めるITベンダー主催の開発者向けカンファレンスがいくつか存在する。これらで発表される革新的な技術や製品は、今後の開発のトレンドを決定づけるだけでなく、それらに付随して生活者のライフスタイルをも一変させる可能性を秘めている。

 そうした世界中が動向を見守る注目カンファレンスの一つ、Adobe Systems(以下、Adobe)社主催の「Adobe MAX」が、10月25日から27日の3日間に渡り、米国カリフォルニア州ロサンゼルスで開催される。

 Macromedia時代から続くこのカンファレンスでは、過去に、デスクトップ実行環境である「Adobe AIR」、いまやRIA開発に欠かせないフレームワークとなった「Flex」、Flexの開発環境である「Adobe Flash Builder」(以下、Flash Builder)など数多くのイノベーティブな製品・技術が発表され、開発の現場に衝撃を与え続けてきた。また、開発者だけでなく、Creative Suite やLiveCycle ESなど同社製品を活用した最新の事例や情報も公開されるため、デザイナーやビジネスリーダーなどによる注目度も高く、昨年日本で開催された際には、連日1,000人以上の観客が会場に押し寄せた。

 同カンファレンスでは、最新情報が発表される基調講演のほか、パートナー企業各社による製品の展示やデモンストレーション、業界の著名人による講演やAdobeのエキスパートが最新技術を丁寧に説明するハンズオンセッションなど、300にも及ぶプログラムが予定されている。

Adobe MAX 2010 Webサイト
Adobe MAX 2010 Webサイト

国内参加者による団結式が開催

 開催を目前に控えた10月初旬、都内某所で国内からのAdobe MAX参加者有志による団結式が開催された。団結式には、Adobe技術の著名開発者や国内の大手IT企業からの参加者、MAXを取材する記者などが参加し、互いに意見交換を行いながら交流を深めた。

 同団結式では、Adobeのディベロッパーマーケティング担当 轟氏発案のもと、現地からの最新情報をTweetする部隊「MAX野郎Tweetチーム」が結成された。会期中、チーム参加者がハッシュタグ「#maxjp」を付け、日本に向けて最新情報をTweetしまくるという。現地の情報をいち早く収集したい方は、彼らのTweetを追うと良いだろう。また、開催前、会期中に展開されるTwitterキャンペーンや、基調講演の同時通訳付きライブストリーミングが予定されていることも発表。MAX野郎Tweetチームの参加者一覧やTwitterキャンペーンの詳細、ストリーミング時のURLなどは、Adobe MAX 2010の日本語版Webサイトにて後日発表される予定だ。

Adobe Design Achievement Awardsの最終選考に国内から唯一残った多摩美術大学の吉田 航くん、期待がかかる
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 では、同団結式に参加者たちの声から、今年のAdobe MAXの見どころを追って行こう。

開発者たちの目当ては、マルチデバイス、電子出版、HTML5

 団結式に集まった参加者たちに話を伺ったところ、今年の注目キーワードとして、次の3つが見えてきた。

  • HTML5
  • 電子出版
  • マルチデバイス

 まずはじめに声が集まったのが、1つめの“HTML5”だ。今年に入ってから、AdobeのHTML5に対する取り組みはさらに加速している。5月に米国で行われたGoogleのユーザーカンファレンス「Google I/O」で、Adobe CTOのケビン・リンチ氏が「HTML5制作において最高のツールを提供する」と発表したのを皮切りに、同社のHTML/CSS開発ツール「Adobe Dreamweaber CS5」向けHTML5/CSS3拡張機能の提供が開始。同8月には、Dreamweaver CS5のアップデータとしてHTML5 Packを提供。さらに、9月にはグラフィックツール「Illustrator CS5」向けのSVG書き出しHTML5 Packの提供が開始された。Adobe MAXでの、さらなる発表に期待を寄せているデザイナーやHTMLコーダーは多い。

 2つ目は、近年iPhone、iPad、Android端末などのスマートフォンの普及で急激に注目が集まる“電子出版”が挙がった。Adobeは、出版業界に広く普及しているDTPソフトウェア「Adobe InDesign」を提供している。前述のHTML5と併せ、このデファクトスタンダードとも言える製品が、どのような電子出版対応を行うのかも見どころの一つと言えるだろう。

 そして、なんと言っても外せないのが“マルチデバイス”対応だろう。今年前半からオープンベータとして開発者向けにリリースされ、先日ついに一般公開された「Android向けAIR」。モバイルアプリケーション開発に向けた機能強化が行われているという「次期Flexフレームワーク(コードネーム“Hero”)」と、開発環境である「Flash Builderの次期バージョン(コードネーム“Burrito”)」。AppleのiPhoneデベロッパー規約変更を受け、開発が再開されたiPhoneアプリケーション向けのオーサリングツール。さらにモバイルだけでなく、Google I/Oで発表されたGoogle TV上に搭載されるというFlashやAndroid対応タブレット型PCでの展開など、話題に事欠かない。特に開発者からのAdobe技術のAndroid対応への関心は高く、これらの事前情報の中からどれが公開されるのかの予想など、期待に胸を弾ませる声が多く聞こえた。

参加者たちに聞くAdobe MAXの注目ポイント~その1

 話を聞いた参加者の中から数名をピックアップして、彼らのAdobe MAXに対する期待や注目しているポイントを紹介していこう。

日本Androidの会 会長 丸山不二夫 氏

普段のお仕事は?

 早稲田大学大学院の客員教授です。大学はもう一線を退いていて、「日本Androidの会」や「クラウド研究会」といったコミュニティで若い人たちと遊んでいます。

何のためにMAXに行くんですか?

 今回初めて米国のAdobe MAXに行くのですが、やはり注目しているのはFlash Player、AIRのAndroid対応です。

 基本的に、Androidはコンテンツをたくさん集めたいというフェーズにあります。国内でもAndroid搭載機種が各社出そろい、今後も多くリリースされる予定ですが、まだまだアプリケーションがiPhoneより少ないのが現状です。

 ガラケーでJavaをやっていた開発者はたくさんいるため、Androidにトランスフォームする土壌は徐々に整ってきているので、Flashでゲームなどを作っている方々がAndroidに来てくれればさらにコンテンツは豊かになるはず。そういう意味でもインパクトが大きいと考えています。

株式会社サイバーエージェント 森山篤 氏

普段のお仕事は?

 アメーバピグのFlashオーサリングを担当しています。

何のためにMAXに行くんですか?

 今回は、今日来ているデザイナーと、デベロッパ兼Javaのエンジニアと、コーディングとかメインにやっている同僚の計4名で参加します。MAX参加の目的は、当社ではAdobe製品をたくさん使っているので、新しい情報をいち早く取得してくるためです。上司からの命令でもあります。情報は社内で共有して、いち早くピグで使えるようにしたいですね。特にスマートフォン系のセッションに注目しています。とりあえず吸収できるものはすべて吸収してきたいと思っています。

参加者たちに聞くAdobe MAXの注目ポイント~その2

株式会社リクルート 鈴木拓生 氏


 (Twitter ID: @taquo
普段のお仕事は?

 インターネットの新規事業・サービスを開発するメディアテクノロジーラボに在籍しています。立場的にディレクションや企画の方が多いので、Flash Catalystでワイヤーフレームを書いたりといった作業が多いですね。

何のためにMAXに行くんですか?

 昨年に続き今回で2回目になるのですが、Webで何かを作るときにAdobeの技術は避けられないと思っています。会社的な目的としては、リクルートは出版事業を行っているので、電子出版についての情報収集です。出版業界全体として、今まさに電子出版事業に乗り出すべきか否かという過渡期だと思います。マネタイズやプレイヤーの乱立など、クリアにすべき問題が多くあるので、どういう風に実施していくのがよいのかを聴いてきたいです。

 また、個人的には技術的な知見・トレンドを掴みたいと考えています。Flash ProfessionalやFlash Catalystといった普段使っているツールや、マルチデバイスのAndroid周辺などに注目しています。ちょうどAdobe MAXの翌週にF-siteというイベントで発表予定なので、Flash Catalyst系のことは吸収できるだけ、吸収してきます。また、ここ最近、国内でAndroid搭載の携帯端末が発表ラッシュでしたが、どのように対応が進むのかなどを掴んできたいです。

AKABANA 有川榮一 氏


 (Twitter ID: @_a1_
普段のお仕事は?

 画面設計からコンポーネント開発まで、全て手掛けています。お客さんが求めるユーザー体験を最も表現しやすく、かつ素早く作れるので、基本的にFlexを使って開発しています。C#やJavaでも同等のモノが作れるとは思いますが、時間やコストがかかるので。とりあえず、すぐ動くものを見せられるので、打合せなんかも楽ですね。

何のためにMAXに行くんですか?

 今年でMAX参加は2回目になるのですが、以前出て面白かった「Flash Player Internals」という内容の濃いセッションに出る予定です。Flash Playerはどうやって表示されているとか、Flexのコンポーネントはどのように動いているとか、新しく発表されたFMS 4(Flash Media Server)といった話題が話されるセッションです。まだ詳しく見ていませんが、BlazeDSのセッションがあったら、それにも参加したいですね。また、コミュニティのブースにいる友人にも会いにいく予定です。

アドビ システムズ株式会社 轟啓介 氏


 (Twitter ID: @keisuke322
普段のお仕事は?

 普段はデベロッパーマーケティングスペシャリストとして、FlexやAIRを中心に開発者のみなさんとコミュニケーションすることで、彼らに製品の情報を提供する一方、当社製品に対する日本の開発者の評価を本社に伝える仕事をしています。

Adobe MAXの見どころは?

 今年のAdobe MAXは見どころがいくつがありますが、その中でも柱となるのが「マルチデバイス対応」です。

 現在、次期FlexフレームワークとFlash Builderの開発を進めていますが、これらはスマートフォンへの対応を予定しています。また、Android向けAIRの開発も進んでいるので、じきに実行環境と開発環境の両方の土台がそろうことになります。これらが実現すれば、Webブラウザやデバイスという制約を越え、開発者が自分の作ったアプリケーションをどこでも動かせる、という楽しい世界が待っているのではないかと非常に期待しています。

 Adobe MAX 2010ではFlexやFlash Builder、Android向けAIRのセッションが、かなりの数用意されています。ハンズオンセッションもあるので、時間が許せば私自身も参加する予定です。

Adobe MAX応援企画について

 Adobeの日本法人としても、Adobe MAXは始まる前から盛り上げていきたいので、Twitterを活用した「Adobe MAX大予想企画」を予定しています。お題は後ほど。参加してくれた方には抽選で素敵なプレゼントがあります。

 また、Adobe MAX開催中の2日間、基調講演の同時翻訳付きライブストリーミングを予定しています。日本時間では夜遅くになってしまうのですが、リアルタイムで日本から見てくれている方に対しては、お礼の意味を込めてTwitter関連の懸賞企画を考えています。

 さらに、今年Adobe MAXツアーに参加される方々で、「MAX野郎Tweetチーム」を結成しました。彼らが現地から猛烈にTweetをしますし、Adobe MAXに行きたかったけど行けずに日本に残っている人たちにも手伝っていただいて、日米同時に盛り上げていきたいと考えています。詳細はAdobe MAX 2010の日本語版Webサイトで確認してください。私自身も、現地の盛り上がりを肌で感じたいと思っています!

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【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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https://codezine.jp/article/detail/5509 2010/10/26 20:48

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