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モバイル開発者必見! DeNAがデブサミで講演する技術セッション群の見どころをチラ見せします

「Mobile Future Conference by DeNA」の見どころ紹介

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2011/02/10 15:40

目次

クロスプラットフォーム対応の最新スマートフォンアプリ開発環境

 インフラ、サーバーサイド(データベース)とくれば、次はクライアントサイドのアプリケーションである。スケジュールは前後するが「Smartphone X-Platform開発」(17-A-6)を見てみよう。

 「ブラウザ主体になっていくのではないかと2年前くらいには思われたけど、やはりまだまだ厳しい。いま現在はネイティブアプリに近いテクノロジーに注目せざるをえない」(山口さん)という。そこで、スマートフォンを横断するプラットフォームが注目される。

 本来ならば、iPhoneやAndroidといったデバイスごとに、Objective-CであったりJavaであったりとネイティブな言語を使い分けて開発しなければならない。その差異を吸収し、JavaScriptでネイティブアプリのパフォーマンスに近い性能が出るアプリ開発ができるプラットフォームの存在は非常に大きい。

 DeNAではスマートフォン版のモバゲータウンのアプリケーションに「ngCore」という開発エンジンを用意している。これは、米国ですでに稼動しているプラットフォームであり、DeNAは開発元のngmoco LLCを昨年10月に買収して、傘下に収めた。この意味は非常に大きいと山口さんは語る。

 「海外進出については、まったくゼロからのスタートではなく、ngCoreという現地で既に成功しているプラットフォームを、新しい足がかりとして得ています。つまり、世界に打って出るステージがある。可能性があるということです」

 DeNAを代表してngCoreを解説するのは、近藤和弘氏。松信氏よりさらに社歴が若く、2010年10月に入社した。前職はソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズで携帯電話の端末ソフトウェア開発に従事しており、いわゆるガラケー開発からAndroid/Symbianベースのスマートフォン開発まで、多種多様な環境でアプリを開発してきた経験を持つ。現在、ソーシャルゲーム開発グループのリーダーを担当している。

 さらにこのセッションでは、同じようにECMAScriptでスマートフォンのアプリ開発が可能な2つのプラットフォームとの対比で進められる。1つはAdobe AIRであり、スピーカーはFlashプラットフォームに長年携わってきた上条晃宏氏。「Flashを扱ってたプログラマやデザイナがスムーズに入っていけるだけ、潜在的にアドビは強い」(山口さん)。

 そして、この取材時にはまだ「追加発表予定」となっていたのだが、もう1人のゲストスピーカーは、風呂でハックするプログラマーとして知られる増井雄一郎氏。オープンソースのスマートフォンプラットフォームである「Titanium Mobile」について語る。増井氏もまた昨年11月末に開発元のAppceleratorにジョインしたばかりだ。

スーパークリエータから見たWeb技術の未来図

 時間帯はスマートフォンプラットフォームの1つ前になるが、17-A-5「Webアーキテクチャの歴史と未来」は、コーディネーターの山口さんが個人的に「すごく楽しみ」と一押しするセッション。スピーカーは「本当のハッカーとはこういう人のこと」と山口さんもみとめる奥一穂氏だ。

 言うまでもなく、現在Webサービスのミドルウェアとして広く使われているメッセージキュー「Q4M」をはじめとして、世界初のPalm OS用Webブラウザ「Palmscape」、Webサービスを日本語化する「Japanize」など数多くのソフトウェアを生み出し、IPA未踏ソフトウェア創造事業スーパークリエータ認定もされている日本を代表するIT技術者である。

 社歴は松信・近藤両氏よりさらに浅く、なんと2010年末にサイボウズ・ラボからジョイン。今回のセッションがDeNA社員としては対外的には初の露出になるのではないだろうか。

 「デバイスからプロトコル、サービスまでWebの幅広い知見があり、新しい技術をキャッチアップして、すぐにオリジナルのものを作ることができる。そういうプログラマーとして足跡を残してきた奥さんでなければ見えないような未来。それはなんだろう、ということにすごく興味ある」と山口さん自身が期待を寄せるこのセッションでは、IT技術の未来が垣間見えることだろう。

ビジネス視点でのモバイル・スマートフォン分野の展望

 ここまで午後の4つのセッションを紹介してきた。インフラ、データベース、アプリケーション(プラットフォーム)、アーキテクチャと、Webの枠を越えたITで現在一番のエッジにあり、最も面白い展開をみせている現場を網羅する感さえある。

 そうした個々に面白い現場を、ビジネスの総体としてどう取りまとめるのか。さまざまな変革が同時進行するモバイル・スマートフォンの分野で、DeNAはどのようなビジネス戦略を立て、どういった技術戦略でバックアップするのか。

 それらが午前中のセッション(17-A-1)で、南場智子CEOと守安功COOから語られることになっている。DeNAが構築しているプラットフォームはどういった枠組みで、どういう技術を必要としているのか、この先どういう展開をしていくのか。会社としてのビジョンはどうか。

 また、ここのところエンジニア採用に注力しているDeNAがどういった人材を必要としているのか。エンジニアに対する経営者からのメッセージも聞けるだろう。


 現在のところモバイルのメインはまだフィーチャーフォンだが、将来は必ずスマートフォンが来るだろうし、規模の拡大も予想される。そのなかで、今回の「Mobile Future Conference」にはどういった意味があるのか。

 「いまのDeNAでは、これまでのようにSNSのコンテンツを用意するだけでなく、やるべきフィールドが増えています。潰しが効く人材でなく、スペシャリストも必要としている。この一連のセッションで、どのようなエキスパートがいるかを、DeNAを知らないSEやPMの方々にもアピールしたいですし、実際にプログラミングしている方にも満足いただける内容になっています」(山口さん)

 これまでエンタープライズ中心のプロジェクトに携わってきた開発者にといっても、モバイル・スマートフォンの新しい波のなかで自分の技術が活かせるのかどうか、そのあたりを見極める上でも有用なトラックになるのではないだろうか。

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著者プロフィール

  • モーリ・タロー(モーリ・タロー)

    フリーダムなIT系編集者・ライター 90年代半ばからIT系書籍編集者として『FreeBSD徹底入門』『ウェブログ入門』『教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書』などを手がける。 2008年に独立し、現在はソーシャルメディア、オープンソース関連を中心に執筆活動を行う。 haten...

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