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デブサミ2011レポート
スマートフォンの現在 ~ビジネスモデル・開発技術の動向

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2011/03/17 14:00

 Androidの登場により、国内においてもスマートフォンが普及し、いよいよ今年スマートフォンビジネスが本格化しそうな勢いだ。それに伴い、ゲームアプリやソーシャルアプリ、SNSなどの市場も伸びている。ソーシャルアプリやゲームにも新しいビジネスモデルや技術が登場。クロスプラットフォーム開発環境も急発展している。スマートフォンにおけるビジネス、技術両面の動向について伊藤直也氏が語った。

 Androidの登場により、国内においてもスマートフォンが普及し、いよいよ今年スマートフォンビジネスが本格化しそうな勢いだ。それに伴い、ゲームアプリやソーシャルアプリ、SNSなどの市場も伸びている。ソーシャルアプリやゲームにも新しいビジネスモデルや技術が登場し、クロスプラットフォーム開発環境も急発展している。スマートフォンにおけるビジネス、技術両面の動向について、グリー株式会社の伊藤直也 氏が語った。

グリー株式会社 メディア開発本部
ソーシャルメディア統括部長 伊藤直也 氏
グリー株式会社 メディア開発本部 ソーシャルメディア統括部長 伊藤直也 氏

現在のスマートフォンビジネス動向

 IDCの調査によると、2010年四半期の世界におけるスマートフォンの出荷台数は1億台を超えた。パソコンの出荷台数は9200万台なので、もはやパソコンではなく、スマートフォンがインターネットに接続する端末として多く使われていると言うことになる。

 国内のスマートフォンも急速に普及しており、2013年には6000万台を超えると予測。「中でも、Androidが急速にシェアを拡大すると予測されている」と伊藤氏は語る。スマートフォンはデータ通信料の収益向上に貢献するため、携帯事業者各社がスマートフォン販売を強化していることも、スマートフォンの普及を後押ししている。

 スマートフォンの利用目的はメールや電話、Webサービスなどと同じぐらい、ゲームやソーシャルアプリ、SNSなどのために使われているという。伊藤氏は「最近は後者が伸びてきている」と言い、それを表すかのようにオンラインゲーム市場は成長している。

 例えば、ミニゲームの「AnglyBird」はその代表例だ。1本100円ぐらいのアプリだが、昨年1年間で4200万ダウンロードされ、12億円の収益を上げたという。

 もう1つ、スマートフォンで大きな話題があった。アプリ内課金ができるようになったことだ。iPhoneではアプリの売上の約半分がアプリ内課金になっているという。また最近、Appleでは月額課金も可能となっている。「アプリ内課金という仕組みができたことで、2010年は6.8億ドルだったアプリ市場が、2015年に25億ドルに成長すると予測されている」(伊藤氏)

 現在のスマートフォンビジネスの動向をこのように説明したのち、伊藤氏は「技術的に面白いトピックスも登場している」と述べ、その技術の1つとしてNFC(Near Field Communication)を紹介した。NFCとは「短距離無線通信規格」という技術で、この機能を使えばおサイフケータイ機能も付加できるようになる。「すでに搭載したAndroid端末も登場している」と伊藤氏は語る。

スマートフォンゲームはネイティブからHTMLへ

 次に、伊藤氏はゲームのトレンドについて解説。先述したとおり人気なのは「シンプル&直感的」なゲームだ。「Open Feint」「Apple Game Center」「Pankia」「Crystal」など、ゲームのプラットフォームを提供するベンダーも増えてきた。また、ソーシャルアプリの分野では、「Instagram」や「Path」(いずれも写真共有アプリ)を見ればわかるように、単機能でSNSと連携するものが人気を集めている。

 グリーのスマートフォン向けWebゲームは、HTML5、CSS3、JavaScriptで作成されている。GREEのゲームがネイティブアプリで提供されていないのには理由がある。伊藤氏は「更新頻度が高いので、ネイティブアプリは作り込まないようにしている。iPhoneの電話帳連携やカメラ、アルバムアプリの起動、UIの拡張など、ネイティブアプリはHTMLでできないことを補う役割にしている」と述べる。

 とはいえ、HTMLではバッドノウハウなところもあると伊藤氏は指摘する。アニメーションGIFをJavaScriptで再生するという手間がかかった手順をチャートで紹介した。

 今、主流のアーキテクチャは4つある。1つはネイティブ。ネイティブは起動が速く、UIや機能に優れているというメリットはあるが、動的更新や開発工数もかかるというデメリットもある。第2のHTML5であれば、起動の速度は遅く、UIや機能に劣るところはあっても、動的更新や開発工数にはメリットがある。そのほかにもJSミドルウェアやハイブリッドなどのアーキテクチャがある。

 それを受け「クロスプラットフォーム開発環境も急速に発展している」と伊藤氏は述べた。例えば「Appcelerator Titanium Mobile」などは、JavaScriptのみでiPhone、Android、BlackBerry向けのアプリを開発できる。そのほかにも、ハイブリッドアプリの開発フレームワーク「PhoneGap」などもある。

 3D化などにより、今後ますますゲームは本格化していく。CやC++で3Dゲーム開発ができる「Unreal Engine」、同じくCやC++でコンソールゲーム機もサポートする「Airplay SDK」、そして伊藤氏が「ゲーム開発ツールの本命」と押しているのが「Unity」である。

 「まだアーキテクチャのデファクトは決まっていない。短期的にはネイティブアプリが主流だが、長期的にはHTML5の方向へと進んでいくだろう」(伊藤氏)

図:スマートフォン向けアプリのアーキテクチャ比較。それぞれ一長一短ある
図:スマートフォン向けアプリのアーキテクチャ比較。それぞれ一長一短ある
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