リモートデスクトップ接続の設定
ここでは、リモートデスクトップ接続の設定について解説します。
管理ポータルでの設定
管理ポータルから[Configure]ボタンをクリックすることで、資格情報の設定画面が表示されます。ここでは、ユーザー名、パスワード、証明書、アカウントの有効期限を設定することができます(図23)。
接続オプション
紹介した手順通りに設定し、リモートデスクトップ接続すると、全画面表示されます。任意の画面サイズで表示したい場合は、リモートデスクトップ接続の設定ファイルを保存した後に、コンテキストメニューから[編集]を選択します(図24)。
図25の編集ダイアログが表示されるため、画面の設定でサイズを設定することができます。他にも各種設定が可能となっており、通常のリモートデスクトップ接続と同様にローカルディスクのドライブを共有することもできます。
サービス構成ファイル
リモートデスクトップ接続の構成設定は、サービス構成ファイルに定義されます(リスト5)。あらかじめロールごとにリモートデスクトップ接続の有効化/無効化などをしたい場合は、直接編集する必要がありますが、それ以外の場合はUIで設定できるため特に編集の必要はありません。設定値は下表の通りです。詳細は、MSDNの「Setting Up a Remote Desktop Connection for a Role」を参照してください
設定名 | 値の意味 |
RemoteAccess.Enabled | リモートデスクトップの有効化、無効化を設定します。trueなら有効、falseなら無効です。 |
RemoteAccess.AccountUsername | リモートデスクトップ接続するユーザーアカウント名を設定します。 |
RemoteAccess.AccountEncryptedPassword | 暗号化されたパスワードを設定します。 |
RemoteAccess.AccountExpiration | アカウントの有効期限をISO 8601形式で設定します。 |
RemoteForwarder.Enabled | リモートデスクトップ転送の有効化、無効化を設定します。trueなら有効、falseなら無効です。 |
<?xml version="1.0" encoding="utf-8"?> <ServiceConfiguration serviceName="RemoteDesktopSample" .... > <Role name="WorkerRole1"> ... </Role> <Role name="WorkerRole1"> <Instances count="2" /> <ConfigurationSettings> <Setting name="Microsoft.WindowsAzure.Plugins.Diagnostics.ConnectionString" value="UseDevelopmentStorage=true" /> <Setting name="Microsoft.WindowsAzure.Plugins.RemoteAccess.Enabled" value="true" /> <Setting name="Microsoft.WindowsAzure.Plugins.RemoteAccess.AccountUsername" value="statemachine" /> <Setting name="Microsoft.WindowsAzure.Plugins.RemoteAccess.AccountEncryptedPassword" value="NJJCo....." /> <Setting name="Microsoft.WindowsAzure.Plugins.RemoteAccess.AccountExpiration" value="2011-03-08T23:59:59.0000000+09:00" /> <Setting name="Microsoft.WindowsAzure.Plugins.RemoteForwarder.Enabled" value="true" /> </ConfigurationSettings> <Certificates> <Certificate name="Microsoft.WindowsAzure.Plugins.RemoteAccess.PasswordEncryption" thumbprint="32CA...." thumbprintAlgorithm="sha1" /> </Certificates> </Role> </ServiceConfiguration>
既存アプリケーションのリモートデスクトップ接続の有効化
前述した通り、リモートデスクトップ接続を有効化するためには、パッケージファイルにリモートデスクトップ機能を埋め込んでパッケージ化する必要があります。したがって、Windows Azureに配置中のアプリケーションを停止せずに有効化する方法はありません。
また、リモートデスクトップ接続を有効化するためには、Windows Azure SDK 1.3以降が必須です。Windows Azure SDK 1.2以前の利用が必要な場合は、リモートデスクトップ接続を利用できません。
まとめ
リモートデスクトップ接続ができなかった時のWindows Azureは、文字通り雲の上のOSでした。アプリケーションをデプロイしても正常に動作せず、原因究明しようにも直接操作できないAzureに手を焼いた開発者も多かったのではないでしょうか。
リモートデスクトップ接続によって直接操作が可能となり、Windows Azure上のアプリケーション開発がより容易になったのではないでしょうか。また、リモートデスクトップ接続でAzureの動作を観察するとAzureについてより理解が進むと思います。ぜひリモートデスクトップ接続に挑戦してみてください。