開発・運用コストがかさむスマートデバイス対応を「MEAP」で解決
スマートフォンやタブレットといった「スマートデバイス」の普及が進む中で、その活用範囲も急速に拡大を見せている。特に近年では、これらのデバイスがコンシューマー分野だけでなく、企業にも導入され、業務アプリケーションのクライアントとして利用されるケースが増えているようだ。
生産性の向上や、それに伴う競争力の強化といった観点などから、スマートデバイスの業務への導入は、多くの企業で優先度の高い経営課題の一つになるという見方もある。一方で、業務のためのシステムをスマートデバイスから利用できる環境を整えるにあたっては、解決すべき複数の課題も指摘されている。
その課題の一つは、複数のプラットフォームに向けたアプリケーションを、いかに効率的に開発し、運用していくかというものだ。WindowsベースのPCや携帯電話(フィーチャーフォン)、さらには専用の業務端末といった環境に加え、スマートデバイスをクライアントとして活用する場合にはiOS、Androidといったプラットフォームを、新たなターゲットとして視野に入れることになる。
特に、ユーザーがそれぞれ個人で利用している端末を業務に使うことを認めるBYOD(Bring Your Own Device)環境の展開や、汎用的な業務システムを複数の企業向けにカスタマイズ提供するようなビジネスを行うインテグレーターが、自社の製品をスマートデバイスに対応させたい場合などに、ターゲットとなるプラットフォームの拡大は、開発コストや運用コストの増大につながるリスクもはらんでいる。
複数のプラットフォームで動作するアプリを作成したい場合、標準的なWebブラウザで動作する「Webアプリ」として開発するという選択肢もある。しかしながら、特にオフライン環境での利用が想定されていたり、端末が持つハードウェアデバイス(カメラやGPSなど)を活用して、機能や使い勝手の面で高い品質を求めたりする場合には、それぞれのプラットフォームに対応した「ネイティブアプリ」としての作り込みが必要となる。近年では、これらの手法を組み合わせた「ハイブリッド」な手法が採用されるケースも増えている。
こうした多様なモバイルデバイス向けのアプリ開発、展開、運用を効率化するものとして期待されているのが「MEAP(Mobile Enterprise Application Platform)」と呼ばれるソリューションである。複数のプラットフォームに向けたアプリを、統一された環境上で開発し、展開、運用できるMEAPは、特に業務アプリ分野でのスマートデバイス対応を効率的に推進していくためのものとして注目を集めている。
今回、IBMが提供しているMEAP製品「IBM Worklight」をお客様に提案し、こうしたアプリ開発の効率化を推進している情報技術開発(tdi)の黒澤勇紀氏に、同製品を提案した経緯や、具体的な活用シーンについて話を聞いた。