はじめに
前回は、Visual Studioを使ってWindowsストアアプリで旅行カタログアプリケーションを作成し、旅行先の写真や情報などを表示するためのListViewコントロールについて説明しました。最終回である今回は、Web APIを使用して旅行先の地図を表示するプログラムについて説明します。
対象読者
本記事は、次の方を対象にしています。
- アプリケーション開発がはじめての人
- HTML/CSSでWebサイトを作ったことがある人
必要な環境
本連載で紹介する環境は次のとおりです。
- OS:Windows 8 Pro
- IDE:Microsoft Visual Studio Express 2012 for Windows 8
Web APIってなんだろう?
旅行先を決めるときに、目的地の地図があれば、アクセスの方法や周辺の観光スポットの有無などを知ることができます。そこで、旅行カタログアプリでは地図を表示したいと思います。
せっかく地図を表示するのであれば画像だけではなく、スクロールしたり拡大縮小したりできたほうが便利です。
そんなときに使えるのが、「Web API」というプログラムです。このWeb APIというプログラムを使えば、インターネット上で公開されているさまざまな情報をアプリケーションの中に簡単に取り入れることが可能です。
Web APIを使うと、地図/天気予報/株価情報のほかにも、郵便番号/図書館の蔵書/SNSのデータ/動画や音楽/交通などの情報をインターネットから取得でき、その情報をアプリケーションの中で利用することができます。
もう少し具体的にWeb APIの仕組みを見ていきます。
通常のアプリケーションでは、プログラムで使用するデータは、アプリケーション開発者が用意する必要があります。同時に、これらのデータの追加/更新/削除なども行う必要があります。Windowsストアアプリのようなクライアントアプリケーションの場合、株価情報などリアルタイムに変化するデータについては、別途データベースサーバを構築し、そこで一元管理する必要があります。
そこで、これらのリアルタイムデータをインターネット上から取得できるようにするプログラムがWeb APIです。具体的には、インターネット上のサーバで提供された「データのみ」をネットワーク経由(HTTPプロトコル)でクライアントアプリケーションが取得し、そのデータをグラフなど分かりやすい形でデータを表示させます。
Web APIを利用することで、開発者は、インターネットから得られるさまざまな情報を使って、アプリケーションを作成することができます。