ミュージックサーバをつくる 1
さっそく、家庭内LANの中に音楽ファイルを管理するためのミュージックサーバを構築します。
ミュージックサーバのネットワーク構成
家庭内LANのネットワークに以下のような構成で、Raspberry Piを使ったミュージックサーバを構築します。Raspberry PiはUSBポートやHDMIポートを使って、キーボードやディスプレイを接続することができますが、今回はプライベートネットワーク内のDHCPを使って、Raspberry Piに自動でIPアドレスを割り当て、ネットワーク経由で作業用パソコンを使って初期設定を行います。
下準備
ミュージックサーバを作成するには、次のものを用意します。念のため、筆者が動作確認につかったものをご紹介していますが、いずれも汎用的なものばかりなので、家で余っているものがあればそれを使ってください。Raspberry Piは、パソコンのハードディスクに相当する外部記憶装置を持ちません。OSは、作業用のパソコンを使ってmicroSDカードにインストールします。
Raspberry Pi本体 ‐ ModelB+
購入は、秋葉原の電子パーツを扱うショップで購入できます。またAmazon.co.jpやRSコンポーネンツなどのネットショップでも購入できます。
microSDカード
Raspberry PiのOSイメージをインストールするためのものです。パソコンでいうところのハードディスクやSSDのかわりです。筆者は、SanDisk microSDHC Class10 8GBを使いました。容量は4GB以上のものを選んでください。なお、動作するmicroSDカードの一覧が以下のページにありますので、手持ちのmicroSDカードをチェックしておくとよいでしょう。
USBケーブル&電源アダプタ
Raspberry Piの電源はスマートフォンやタブレットの充電器が利用できます。出力が1A(1000mA)以上のものを選んでください。パソコンのUSB出力は0.5A(500mA)しかありませんので、利用できません。
LANケーブル
Raspberry PiとルータをつなぐRJ-45コネクタを持つケーブルです。家に余っているものでかまいません。
USBメモリ
ライブラリとなる音楽ファイルを格納するために使います。パソコンでいうところの外付けドライブにあたります。筆者はKingston USB2.0メモリ16GBを使いました。この中に、お好みの音楽ファイルを入れておいてください。
OSのインストール
必要なパーツが用意出来たら、OSのインストールを行います。OSのインストールはRaspberry Piではなく、別の作業用パソコン上で行います。Raspberry Piで利用できるOSは、以下の公式サイトからダウンロードできます。Linuxベースのもの以外にも、RISC OSも利用できます。RISC OS はARMアーキテクチャシステム向けに設計されたOSです。
ミュージックサーバを作成するために、LinuxベースのOSでMPD(Music Player Daemon)を動かします。MPDは、UNIX上で動く音楽再生やプレイリスト管理を行うデーモンです。今回はMPDなどミュージックサーバに必要なソフトウエアがあらかじめインストールされたディストリビューションである「Volumio」を利用します。VolumioはRaspberry Pi以外のCUBOXやBEAGLEBONE BLACKなどの組み込みプラットフォームでも動作するのが特徴です。
公式サイトは、以下のとおりです。
Volumioを利用するため、以下のサイトから執筆時の最新版であるVolumio1.41をダウンロードします。
zip形式のファイルを解凍するとVolumio1.41PI.imgというOSのイメージファイルが生成されます。
このイメージファイルからRaspberry Pi起動用のmicroSDカードを作成するため、「Win32 Disk Imager」というツールを、下記リンクよりダウンロード/インストールしてください。執筆時の最新版のインストーラは、Win32DiskImager-0.9.5-install.exeです。
Win32 Disk Imagerのインストールが完了したら、起動します。次の画面で、ダウンロードしたVolumioのイメージファイルを指定して、[Write]ボタンをクリックします。しばらくするとmicroSDカードへの書き込みが完了します。