サービス無停止とはなにか?
ここまで全世界におけるパブリッククラウドのサービス可用性のレベルを情報共有してきました。しかし、それを評価するのは人間なので、「サービス無停止」という指標も実際には共通語とはなっていません。例えば、CDNのサービス高可用性は非常に高いレベルで維持されています(図7)。
しかし、場合によりCDNサービスにデータ提供するオリジンサーバの不具合や、データ不整合によるサービス中断なども容易に起こりえますので、ユーザーから見れば「サービスが使えない」=「サービス停止」なのです。私たちを取り巻くWebサービスは、どんどんと高度に組み合わされた小さいシステムの集合体として形成されつつあります。
Dropbox社が「サービス停止間隔を自社でコントロールしたい」と強く望み、自らのサービス向けシステム基盤をデータセンター利用してまで再構築した例もあるように、その考え方は千差万別ともいえます(図8)。
本連載で何度も解説しておりますが、最終的にはこれらサービス向けシステム基盤を「誰かが支え維持していく」必要があります(図9)。
日本国内でインターネットが商用化されて四半世紀が目前となってきた今、コンピューティング資源の使い方は変化こそしてきましたが、根本的にはそれを支え続けるシステムエンジニアの弛まぬ努力によって私たちの社会基盤が守られているのです。
次回予告
『いまさら聞けないクラウドのアレコレ』はお楽しみいただけましたでしょうか。今後もさくらインターネット研究所が取り組む「ちょっと未来の技術」のお話を皆様に共有していければと思います。ご期待ください。