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【デブサミ2017】セッションレポート(AD)

アプリ開発の新しい潮流に向けて進化するJava SE 9/Java EE 8の概要【デブサミ2017】

【17-C-6】今年はJava進化の年!今知っておくべき新しいJava

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クラウド、マイクロサービスに対応するJava EE 8

 Java EE 8については2016年10月に修整提案が発表され、JCPのルールに従って順次コミュニティとともに検討が進められている。Java EE 8およびJavaEE 9で目指すのは、将来的にはクラウド、マイクロサービスといった、新しいスタイルのアプリケーション開発に対応することであり、断片的にテクノロジーを実装したプラットフォームではなく、プログラミングモデルから、アプリケーションのパッケージング、移植性までを包括して構成し、実績のある標準的なテクノロジーを使用することを方針としている。

 Java EEはオンプレミスのエンタープライズ環境として圧倒的なシェアを誇るが、クラウドが広く使われるようになった状況を受け、今後はオンプレミスとクラウドの両方で利用できるプラットフォームへと進化していかなければならない。Java開発者は、目まぐるしく変わり続けるビジネスニーズを満たすために、これまでのモノリシックなアプリケーションから脱却し、マイクロサービスにも取り組んでいく必要がある。

 Java EEが今後目指す方向としては、多種多様なクライアント、ステートレスサービス、多彩なデータソースなどが挙げられる。

 クライアントは1つに限定せずに、モバイル端末を含む複数のクライアントをサポートすべきだ。そのためにJavaEEではHTTP 2.0、JSON、REST、XHRといった技術に対応する。また、JavaだけでなくHTML5、JavaScriptなど複数言語の使用も必要となる。

 マイクロサービスは、複数の小さなサービスを組み合わせて1つの機能を提供する。各サービスは互いに独立しており、あるサービスで障害が発生しても他のサービスには影響しない。Java EEでは従来はステートフルアプリケーションが主流であったが、今後はマイクロサービスのようにステートレスアプリケーションを主流としていく必要がある。サービスの連携には、JAX-RS(REST)、JAX-WS(Webサービス)、イベント通知などを利用する。

 データソースに関してはJDBCを介してRDBを利用することがほとんどであった。これに加えてNoSQLデータベース、データストリーム、TSDB(時系列データベース)も利用できるようにしていく予定だ。

 Java EEの従来のアプリケーションは、アプリケーションサーバ上でインスタンスを生成し、設定ファイルやセッション状態などは内部で保持・管理するという形で稼働する。今後は、クラウドネイティブな形式でコンテナを使ってインスタンスを生成し、設定ファイルやセッション状態はアプリケーションの外、すなわちクラウド側に持たせる仕組みが必要となる。Java EE 8あるいは9では、アプリケーションをコンテナ上にデプロイし、オーケストレーションツールで制御するという環境の導入が進むと思われる。

 伊藤氏は、Java EE 8あるいは9において想定されるプラットフォームを提示。Java EE 8では、GlassFishを参照実装とするJava EE 7をベースに、CDI、JSF、JAX-RS、JSON-Pなどの更新、JSON-B、セキュリティ、設定、ヘルスチェックなどの追加、JMS、MVCなどの削除が提案されている。ロードマップではJava EE 8は2017年内、さらにJava EE 9は2018年内に提供することを目標としていることが述べられ、セッションは終了した。

Java EE 8の提案仕様
Java EE 8の提案仕様

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