大きく進化するWindows 10
次に登壇した日本マイクロソフト 代表取締役 社長 平野拓也氏は、Windows 10 Fall Creators Updateが今秋リリース予定であると発表。クラウドやAIによりWindows 10も大きく進化していると述べた。
次期リリースで注目の新機能の一つがMicrosoft Story Remixだ。AIと深層学習の技術を利用し、ペンで書いた文字を動画と連動して動かしたり、画像認識により指定した人物を中心とした動画を作成したりといった加工ができる動画生成アプリケーションである。また、Windows 10では、Windows、Android、iOS、Linuxのすべてのプラットフォーム向けアプリケーションを開発する環境を強化。開発するアプリケーションも2Dから3Dの世界へと進化する。
MR(複合現実)こそがコンピューティングの未来
Microsoftは、Windows 10をベースに新しいコンピューティングの世界、MR(Mixed Reality、複合現実)に注力していく方針だ。ここで、Microsoft Windows and Devices Groupでテクニカルフェローを務め、Microsoft Kinect、Microsoft HoloLensなどの革新的な製品の開発で中心的な役割を果たしたAlex Kipman氏が登場。日本では、2017年1月にHoloLensが発売されて以来大きなムーブメントが起こっており、MR市場が最も成長していると述べた。MRは、VR(Virtual Reality、仮想現実)なのか、AR(Augmented Reality、拡張現実)なのかという議論があるが、いずれもMRの世界を別の角度から見ているにすぎない。現実の場所、人、ものをバーチャルな場所と混合するのがMRであり、その世界に入っていくことで新しいエクスペリエンスを提供し、仕事、コミュニケーション、教育、遊びを変えることができる。
MRの活用例として、医療の現場でHoloLensを活用し、患者の体にオーバーラップさせた3D画像を参照しながら医師が手術を行うというHoloEyes株式会社の事例や、建造物のホログラムを使い、計画から引き渡し以降のメンテナンスにいたる、すべての状況を追跡する小柳建設株式会社の事例が紹介された。Windows 10はMRを実現するOSであり、創造性、生産性を向上するアプリケーションの開発が可能である。MRこそがコンピューティングの未来であると、Kipman氏は語った。Microsoftは株式会社gumiとともに、VR/AR/MR分野のスタートアップを支援するTokyo VR StartupsおよびSeoul VR Startupsに協力していくことを表明している。
Microsoft GraphによるOffice、Dyanmics、LinkedInのデータの統合
最後に、日本マイクロソフト 執行役員 榊原彰氏が登壇。クラウド、エッジを含め、あらゆる場所にインテリジェンスを追加することがMicrosoftの使命であると改めて表明し、そこで重要な役割を果たすMicrosoft Graphについて補足した。Officeは単にアプリケーションを並べただけの製品ではなく、データレベルで統合されている。Microsoft GraphはOfficeデータを扱う統合的モデルとして開発され、現在ではDynamicsのデータモデルにも対応している。今後は、LinkedInのグラフデータを取り込んでいく予定だ。Microsoft Graphは進化しており、REST APIにより異なるデバイス間でのデータの呼び出しを可能にProject Roma SDKのiOS版が、Windows版、Android版に続いて新たに公開されている。
「Microsoftは、インテリジェンスの新時代において、『インテリジェンスクラウド』と『インテリジェンスエッジ』をテーマにすべての製品、すべてのサービスにインテリジェンスを組み込んでいく。開発者のみなさんはインテリジェンスをふんだんに自由に制限なく活用してほしい」と述べ、基調講演を締めくくった。
