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開発現場のストーリーから学んで実践! 最初で最後のカイゼン・ジャーニー

「カンバン」で目指すカイゼン~1人ではなくチームであることを選ぶ

開発現場のストーリーから学んで実践! 最初で最後のカイゼン・ジャーニー 第2回


日々の運用とふりかえりで相乗効果

朝会(毎日同じ時間・同じ場所)

そんな経験が思い当たる...(省略)

デモンストレーションの項でも触れましたが、カンバンの前で朝会を実施してタスク管理を自分たちで実施すると相乗効果を生み出せます。

デモンストレーションで実施したように、ファシリテーターから3つの質問(これまでにやったこと、これからやること、不安になっていること)を全員にして、おのおのが自己表明しましょう。このときに重要なのが、その期間のゴールを達成するためという目的を促すことです。日々のタスクに着目しすぎるとゴールをおろそかにしてしまい、何のためにやっているのかを忘れてしまい、手段と目的が逆転したりしてしまうからです。

週に1回のふりかえりでプロセスカイゼン

一週間の終わりにふりかえりを実施してカンバンのプロセスをカイゼンしましょう。仕事の流れや待ち時間を減らすアイデアをどんどん出していきます。付箋紙に書き出す情報に日付や見積もりなどを加えたりすることなど、見える化のテクニックも上がっていくでしょう。アナログで管理することで、進化・カイゼンがしやすくなるのです。使っていくうちに、レーンの大きさ、必要なレーン、ステータス管理、最適なWIP制限数など、アイデアが湧いてくるでしょう。アイデアを気軽に取り入れてチームでのカイゼンを習慣化させましょう。はじめてのふりかえりでは、下記をフォーカスするといろんなアイデアがでてきます。ファシリテーター役になったら、ぜひ問いかけてみてください。

 1週間の終わりにふりかえりを実施してカンバンのプロセスをカイゼンしましょう。

 仕事の流れや待ち時間を減らすアイデアをどんどん出していきます。付箋紙に書き出す情報に日付や見積もりなどを加えたりすることなど、見える化のテクニックも上がっていくでしょう。アナログで管理することで、全体を俯瞰して見られ、視界に入ってくる頻度も上がります。レイアウトや貼り付ける物など、気軽に手軽にカスタマイズ可能です。カンバンボードにおのおのの現場のオリジナリティを出しながら進化・カイゼンさせていきましょう。

 使っていくうちに、レーンの大きさ、必要なレーン、ステータス管理、最適なWIP制限数など、アイデアが湧いてくるでしょう。アイデアを気軽に取り入れてチームでのカイゼンを習慣化させましょう。初めてのふりかえりでは、下記にフォーカスするといろんなアイデアがでてきます。ファシリテーター役になったら、ぜひチームに問いかけてみてください。

  • 付箋紙のフォーマットが見やすくマネしたいものはありますか?
  • グランドルールや当番表などカンバンを拡張した方が良いものはありますか?
  • WIPの制限数は適していますか?また、マグネットやレーンの変更で楽にWIP制限を表現する方法はありますか?
  • 付箋紙を移動させるときに適したレーン名でしたか? タスクの状態から適したレーン名にカイゼンできますか?
  • 緊急の割り込みタスクが発生したとき、どのように管理しましょうか?
     

 カンバンで朝会のコミュニケーションの場が生まれ、チーム全員の脳・目・手・耳で、危機を察知する機会が増加することでしょう。対話を継続していけば、より強いチームになる足がかりにもでき、進捗を自分たちで管理する自己組織化の芽生えも期待できます。また、ふりかえりでプロセスカイゼンすることで、ムダな待ち時間を減らすアイデアも出てくるでしょう。チームのコミュニケーションの中心に常にカンバンがあるのです。 

 気づき、学びなどのアイデアをカンバンのルールに反映させていきながら、チーム運営を全員で楽しんでください。朝会、カンバン、ふりかえりの3つのプラクティスを活用しながら組織として問題に向き合い、ハイパフォーマンスなチームになりましょう。

エピローグ

 プロジェクトルームに戻って、早速私はタスクボードを作った。TODO、DOING、DONEという3つのレーンをホワイトボードに描く。TODOに一旦、片瀬さんの20個以上あるタスクを付箋紙で一枚ずつ張り出していく。すぐにTODOは付箋紙で埋め尽くされた。

 それから、動いていそうなタスクをDOINGに持っていこうとして、いったん手が止まった。当たり前だが、各タスクがどういう状態にあるか私には分からない。作業を着手しているのか、レビュー待ちなのか、レビュー中なのか、終わっているのか。状態が分からないと、これから何をしたら良いか決められない。

 自分で作ったボードを前にして、呆然とし始めた私の背後から、おもむろに手が伸びて、タスクがDOINGに移った。

「これは、俺が今レビューしている。」

 続けて、鎌倉さんはDOINGのレーンをレビュー待ち、レビュー中、レビュー完了に分け直し始めた。

「このタスクは、まだ動いていませんね。私が昨日チャットで頼んだものだから」

 藤沢さんも、加わって付箋紙を移動し始める。レーンは、masterマージ済、ステージング環境デプロイ済、テスト待ちと、みるみる細かくなっていく。このチームの代表的なワークフローが目の前に形になっていく。

「和田塚さん、チャット上で片瀬の発言を追ってみて。たぶん、このタスクはもう終わっている」

「このタスクは境川さんが巻き取り済みですね。和田塚さん、誰が引き受けているか分かるように、付箋紙の上に担当者の名前を書いた小さな付箋紙を貼っていって」

「…ラジャーです!」

 1時間ほどたっただろうか、御涼さんも帰ってきた。鎌倉さん、藤沢さん、私で作ったカンバンを眺めて、少し呆気に取られてから、すぐに口元を緩めた。

「片瀬くんの言う通りね」

「御涼さん、だいたい整理できたので、各タスクのサインアップをしていきたいです!」

「もちろん。片瀬くんが復帰するまでに、すべて片付けてしまいましょう」

 カンバン前に、御涼さん、それから終始無言だった境川さんも加わり、半円状のサークルを作った。カンバンに向き合う。私たちはタスクに対峙したのだ。

今回の原則の解説:全体を俯瞰する

 今回のテーマ「カンバン」でのカイゼンにおける原則は、「全体を俯瞰する」です。以下の3点を押さえておきましょう。

  • 組織の仕事の全体状況を見える化し、白日の下にさらし共通認識を得よう
  • 仕事の流れを整理・カイゼンし、待ち時間を減らし顧客価値提供までの全体スピードを上げよう
  • チームとして総力を上げて全体最適を目指し、成果を出し続ける組織体になろう

本連載を深く理解するには、書籍『カイゼン・ジャーニー』の併読がオススメ!

カイゼン・ジャーニー

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カイゼン・ジャーニー
たった1人からはじめて、「越境」するチームをつくるまで

著者:市谷聡啓、新井剛
価格:2,484円(税込)

【連載との違い】

CodeZineの連載では、現場におけるチーム活動でのシーンを想定して実践的な作りにしていますが、コンパクトにまとめているため、個人が根本を深く理解するのに向いていません。理論や原理原則を体系的にまとめた書籍『カイゼン・ジャーニー』を精読いただくと理解が深まり、より生きた知識が身につきます。ぜひお買い求めください!

実践編セミナー「機能するチームを作るためのカイゼン・ジャーニー」開催!

 CodeZine Academyにて、著者の市谷氏、新井氏を講師に迎えたセミナー「機能するチームを作るためのカイゼン・ジャーニーを開催します。「講義」と「ワークショップ」で、書籍や連載の内容をさらに実践的に学ぶことができます。以下の通り、申し込み受付中です。

  • 開催日時:2019年7月12日(金)10:00~18:00
  • 受講料金:54,000円(税抜価格50,000円)
  • 場所:株式会社翔泳社 セミナールーム
  • 詳細・申し込み:https://event.shoeisha.jp/cza/20190712

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この記事の著者

市谷 聡啓(イチタニ トシヒロ)

 ギルドワークス株式会社 代表取締役/株式会社エナジャイル 代表取締役/DevLOVEコミュニティ ファウンダー サービスや事業についてのアイデア段階の構想から、コンセプトを練り上げていく仮説検証とアジャイル開発の運営について経験が厚い。プログラマーからキャリアをスタートし、SIerでのプロジェクト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

新井 剛(アライ タケシ)

 株式会社ヴァル研究所 SoR Dept部長/株式会社エナジャイル 取締役COO/Codezine Academy Scrum Boot Camp Premiumチューター CSP(認定スクラムプロフェッショナル)/CSM(認定スクラムマスター)/CSPO(認定プロダクトオーナー) Javaコンポー...

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https://codezine.jp/article/detail/11245 2019/05/16 15:20

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