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Raspberry Pi ZeroでIoTプラレールを作ってみよう~プラレールに基板を実装する

Raspberry Pi Zeroではじめよう! おうちで楽しむIoTレシピ 第9回

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2018/12/27 11:00

目次

【IoTプラレール 基板実装 制御系その2】モータードライバー

モータードライバーの選定

 モーターの駆動を制御するためにモータードライバーが必要です。ROHM社のブラシモーター制御IC「BD65496MUV」を搭載した小型モータードライバーユニットを使用しました。

 スイッチサイエンスで「BD65496MUV搭載モータードライバー(POLOLU-2960)」という商品名で販売されています。片面6ピンずつ合計12ピンで、基板のフットプリントが少ないという特徴があります。

 一般的に、モータードライバーは制御IC用の電源と、実際にモーターに供給する電源を別系統で供給できます。今回はIoTプラレールの仕組みを簡素化するために同じ電源を両方ともに使用します。別々に供給すれば制御用に5V、モーター用に1.8Vといった組み合わせもできます。

 モーター用に別系統でアルカリ乾電池を使うと比較的安定して動きます。その場合、乾電池の配置について考慮する必要があります。

モータードライバーのつなぎ方

 以下の図は、前ページで紹介したProtoZeroの回路図です(参考として掲載しています)。

 モータードライバーのつなぎ方は、以下の手順になります。

  1. モータードライバーのVCCとVINにはモバイルバッテリー5V電源をつなぎ、2つのGNDにはマイナスをつなぐ(モーター用に別系統の電源を使う場合にはVINだけに別系統の電源をつなぐ)
  2. INA、INBにはRaspberry Pi ZeroからきたGPIOをつなぐ
  3. OUTAとOUTBには、それぞれ駆動車両につながるモーター用の2ピンソケットにつなぐ

 この時、OUTAにはプラス、OUTBにはマイナスが流れるようにします。

 逆に電極を流すとDC-DCコンバーターが発熱して高温になりますのでご注意ください。

制御方法

  • INAがLOW、INBがLOWの時:電車は停止
  • INAがHIGH、INBがLOWの時:電車は発進

 つまり、Lチカさせるプログラムが書ければ、このモータードライバーは制御可能です。

補足

  • モータードライバーの仕様として、INAがLOW、INBがHIGHの時に後進できますが今回の構成ではモータードライバーの先にDC-DCコンバーターがあるので後進はできません。
  • PWMでモーターの速度をコントロールすることも可能ですが今回は簡素化するために使用していません。
  • 発進時に電源が安定せずリセットされる場合、5V電源とモータードライバーの間に470uFぐらいの電解コンデンサーを追加で入れると安定します。

 基板上に6ピン×2セットのピンソケットをはんだ付けした後にチップを載せる形で取り付けると、はんだ付け作業時にモータードライバーの制御ICにダメージを与えることがなくなります。

 次に、駆動車両のDC-DCコンバーターについてご紹介します。

【IoTプラレール 基板実装 駆動系】DC-DCコンバーター

DC-DCコンバーターの調達

 プラレールに搭載されているモーターを安全に駆動させる使用電圧範囲は1.5V~3.0Vです。安定した走行をするにはRaspberry Pi Zeroから供給される電圧5Vを1.5V~1.8V程度に下げる(降圧する)ために必要です。降圧せずに5Vのまま出力すると、モータードライバーが焼けて故障してしまうためです。出力電圧を降圧させるために、DC-DCコンバーターを使います。

 DC-DCコンバーターは、出力電圧1.5~1.8Vあたりに調整でき、1A程度流せるものを購入しましょう。この調達作業が結構大変ですが、「Seeed Studio POW00900M」というDC-DCコンバーターは適切です。単2電池と同じぐらいのフットプリントでプラレールに搭載するのにちょうどいいです。

重さの調整

 DC-DCコンバーターは本来プラレール内の電池を入れる場所に入れます。ねじ止めするのは大変なので強力両面テープで貼り付けます。この際に電池を入れない分、駆動車両の先頭部分が軽くなるためミニ四駆のウエイトパーツをDC-DCコンバーターの下に貼り付けます(このウエイトパーツも両面テープで貼り付けるタイプです)。

 駆動車両の先頭の車輪が浮いてしまうと、後々に坂道レールが上れなくなる、カーブレールで脱線するなどの問題が発生しますので、重さの調整は行いましょう。単2電池はアルカリ電池の場合で60~70g程度あります。したがって、ミニ四駆のセッティングウエイトは結構な重さを入れて調整します(使用するモデルによって重さを調整してください)。

 そこで、DC-DCコンバーターの下には3gのセッティングウエイトを3つぐらい入れましょう。また、ボディの裏側にも2gのセッティングウエイトを中心に4~5つぐらい貼り付けてください。また、車体が浮かないように車輪周りにもセッティングウエイトを入れて調整してください。

 そうすれば25g程度重くなり重心が安定します。何個セッティングウエイトを貼り付けるかは駆動車両のモデルによるので、発進時に先頭の車輪が浮かなくなるまでいろいろ試してみてください。また、坂レールの上り下りが行える程度の重さが適正です。

はんだ付けのコツ

 DC-DCコンバーターをはんだ付けする場合に、プラレールの電極のマイナス側にピンバイスで1mm程度の穴を開けるとジャンパーワイヤーのはんだ付けが楽になります。プラレールのプラス側の仕様はプラレールのモデルによって異なります。うまく工夫して、はんだ付けしてください。プラレールの電極側にフラックスを塗ると、はんだの付きが良くなって楽になると思います。

まとめ

 今回はプラレールと貨車を改造して準備する所までご紹介しました。準備するパーツが多いですが、ぜひ自分の好きな車体を選んで改造してみましょう。

 次回は実際にPythonのプログラムでプラレールを動作させ、MQTTプロトコルを使ってWebアプリ上から制御する方法をご紹介します。



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著者プロフィール

  • 平 愛美(タイラ マナミ)

     熊本県出身のITエンジニア。2児の母で、趣味は写真とグルメ。最近はRaspberry Pi、Arduinoを使った家庭内IoTについて日々研究するIT系母ちゃんとして活躍中。主な著書は、『改訂3版 Linuxエンジニア養成読本』(寄稿、技術評論社 刊)、『Linuxシステム管理標準教科書』(共著、...

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