はじめに
連載の第2回では、Caché(キャシエ)のユーティリティの基本操作を説明し、Caché ObejctScriptによるオブジェクト指向開発のプログラム例を示します。続く連載において、より具体的なシステム開発について触れますが、その基礎となる考え方を学習しましょう。
対象読者
- アプリケーション/システム開発をしている人
- データベース関連の開発およびメンテナンスをしている人
- JavaやC#でプログラミングしている人
CACHÉの基本操作(1/2)
Cachéの基本操作を学ぶうえで、クライアントPC上で動作するCachéユーティリティの習熟は必須です。ここでは、ユーティリティの概要と基本操作について触れると共に、Caché独特のデータベース作成まで説明します。
CACHÉのユーティリティ
第1回でも説明しましたが、タスクバーアイコンのCaché Cubeをクリックまたは右クリックして、コンテクストメニューを表示させます。
このメニューの4行目[スタジオ]~7行目[ドキュメント]がCachéユーティリティです。
スタジオ……CACHÉの統合開発環境(IDE)
Caché独自のスクリプト記述言語であるCaché ObjectScriptとCaché Basic用のIDEです。ここでは、クラス定義の作成・CSP(Caché Server Page)ファイルの作成・Web Service用クラス定義の作成やSOAPクライアントウィザードやXMLスキーマウィザードが利用できます。また、このスタジオでは、プロジェクト単位でアプリケーションに必要なソースをまとめて保存できます。
ターミナル……CACHÉの端末エミュレータ
このターミナルで、Caché ObjectScriptのコマンド、システムユーティリティなどを実行できます。アプリケーションを作成する際、作成したルーチンの動作確認にも利用可能です。
システム管理ポータル……CACHÉの統合管理環境
次の3つの機能が提供されています。
- システム管理(システム管理者タスク)
- データ管理(データベース管理タスク)
- 運用(システム運用タスク)
ドキュメント……CACHÉのヘルプドキュメント
このドキュメントは、Caché独自のWeb技術であるCSPを使用しています。
それぞれのユーティリティの詳細は、以降、より具体的な例を挙げて説明します。