Raspberry Piの準備
Raspberry Piは、Raspberry Pi 2以降を用意しましょう。なお、Raspberry Pi Zeroは、.Net Coreのサポート対象外になっています。本連載では、Raspberry Pi 3 Model Bを使用します。OSは、おなじみのRaspbian(ダウンロードページ)を使用します。OSのインストール手順は、ここでは割愛します。
なお、Raspberry Piの設定で、SSHとVNC、SPI、I2Cを有効にしておきます。本連載でのRaspberry Piの操作は、基本的には、Windows環境から、Tera TermなどのSSHクライアントを接続して行います。
.Net Core 3.0 SDKのインストール
Raspberry Piにも、.Net Core 3.0 SDKをインストールしましょう。
まず、インストールファイルをダウンロードします。ダウンロードは、Windowsでも、Raspberry Piからでも可能です。先ほどの.Net Coreのダウンロードページを開き、「Build apps - SDK」にあるLinuxのARM32を選択します。執筆時点では、dotnet-sdk-3.0.100-preview6-012264-linux-arm.tar.gzというファイル名です。
Raspberry Piに転送する
Windowsでダウンロードした場合は、Raspberry Piに転送する必要があります。ファイルを転送するには、あらかじめRaspberry PiにSambaをインストールし、Windowsでファイル操作ができるようにしておくか、WinSCPなどのSSHクライアントツールを使います。WinSCPであれば、Raspberry Piの設定は特に不要なので、手軽です。
Sambaを利用する場合は、次のようにインストールして、設定ファイル(/etc/samba/smb.conf)にファイル共有の設定を追加します。
$ sudo apt-get install samba
例えば、piユーザーのホームディレクトリを共有する場合は、次の設定を追加します。
[pi] path = /home/pi read only = No guest ok = Yes force user = pi
設定ファイルの変更後、Sambaを起動します。なお、Sambaの自動起動の手動設定は不要です。
sudo /etc/init.d/samba restart
これで、Windowsのエクスプローラーのネットワークから、piユーザーのホームディレクトリが共有フォルダとして読み書きできるはずです。もし、Windows 10で共有フォルダが表示されないときは、「Windowsの機能の有効化または無効化」で、SMB 1.0/CIFSが有効になっていることを確認しましょう。
インストールの実行と初期設定
Raspberry Piで直接ダウンロードするには、wgetやcurlコマンドを使います。SDKファイルのダウンロードURLは、先ほどのダウンロードページか、GitHubの.NET Coreのページを参照してください。
執筆時点では、次のURLでダウンロードできました。
$ wget https://download.visualstudio.microsoft.com/download/pr/50bc5936-b374-490b-9312-f3ca23c0bcfa/d7680c7a396b115d95ac835334777d02/dotnet-sdk-3.0.100-preview6-012264-linux-arm.tar.gz
SDKファイルは、piユーザーのホームディレクトリにコピーしておきます。なおSDKのインストールの前には、以下のように、updateといくつかのライブラリをインストールしておきましょう。
$ sudo apt-get update $ sudo apt-get install libunwind8 gettext apt-transport-https
そして、ファイルを解凍します。
$ mkdir -p $HOME/dotnet && tar zxf dotnet-sdk-3.0.100-preview6-012264-linux-arm.tar.gz -C $HOME/dotnet
これで、ホームディレクトリの直下にdotnetディレクトリが作成され、そのディレクトリにSDKが解凍されます。次に、パスの設定です。シェルの設定ファイル、.bashrcの最後などに、次の2行を追記します。
DOTNET_ROOT=$HOME/dotnet PATH=$PATH:$HOME/dotnet
最後に設定ファイルを再度読み込んでおきます。
$ . ~/.bashrc
インストールの確認
インストールできているか確認してみましょう。次のコマンドを実行すると、.NET Coreのバージョンが表示されるはずです。
$ dotnet --version 3.0.100-preview6-012264
コマンドラインツール
このように、.Net Coreでは、dotnetコマンドというコマンドラインのツールが使用できます。
dotnet [command] [arguments] [オプション]
dotnetコマンドでは、プロジェクトの作成やビルドも可能です。例えば、次のnewコマンドは、コンソールアプリのテンプレートを使って、testappという新規プロジェクトを作成します。-oオプションで、プロジェクトの生成先を指定しています。
$ dotnet new console -o testapp
また、作成されたプロジェクトを構築、実行するには、次のコマンドを使います。
$ dotnet run -p testapp
しばらくすると、Hello World!と表示されます。
なお、主なdotnetコマンドとして、次のようなコマンドがあります。
| コマンド | 概要 |
|---|---|
| dotnet new | 指定されたテンプレートでプロジェクトを新規作成 |
| dotnet build | アプリケーションのビルド |
| dotnet clean | クリーンビルド |
| dotnet run | アプリケーションの実行 |
| dotnet publish | 実行ファイルの生成 |
最後に
今回は、Visual Studioと.Net Core 3.0 SDKのインストールを解説しました。次回からは、Raspberry PiのGPIOを操作するアプリケーションを作成することにします。
