SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

自分の可能性を広げよう!U30デベロッパーのための「キャリアのすゝめ」

茂みのなかのイノシシを捕まえよう! 「わかばちゃんと学ぶ」シリーズ著者が教える、自分の強みの見つけ方【後編】

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 漫画でWeb技術が身につく「わかばちゃんと学ぶ」シリーズの著者である湊川あいさん。彼女はこれまでのキャリアにおいて、積極的にアウトプットを続けることや人に教えることを大切にしてきた。書籍の執筆はもちろん、各種カンファレンスやオンライン講義への登壇、SNSでの情報発信などを精力的に行ってきたのだ。湊川さんがこうした活動を続けられた理由を、前後編の2回に分けてお届けする。後編では、自分の得意分野を見つける方法や人とのつながりを広げていく手段、コロナ禍の状況下において上手にアウトプットし続けるための知見について伺った。

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

得意分野をどうやって探し出す?

――前編に引き続き後編でも、積極的にアウトプットを続けるための秘訣を伺わせてください。世の中には、何かをアウトプットしたいけれど、自分自身の得意分野や楽しんで取り組める領域がわからない方もいらっしゃいます。どうすれば、そういった領域を見つけられるでしょうか?

 得意分野を見つけるのは、とても難しいことですよね。私も社会人になって5年目くらいにようやく、漫画と技術を組み合わせれば多くの方々に喜んでいただけると気づけました。それに、いまでは人に何かを教えることがとても好きですが、新卒入社した会社では後輩がしばらく入ってこなかったので、会社のなかで誰かに教える機会もほとんどなくて。さまざまな偶然が重なったからこそ、得意分野がわかりました。

 その偶然を起こすには、たとえ自分が何に向いているかわからなくても、いろいろなことにチャレンジし続ける姿勢が大切だと思います。以前、新卒で入社した会社の社長が、イノシシを例にしてマーケティングの心得を教えてくれたことがあります。

漫画でWeb技術が身につく「わかばちゃんと学ぶ」シリーズの著者 湊川あい氏
漫画でWeb技術が身につく「わかばちゃんと学ぶ」シリーズの著者 湊川あい氏

――イノシシ、ですか……。どのような例えでしょうか?

 社長は私に「茂みのなかにイノシシが潜んでいるけれど、どの場所にいるかわからない。そして、あなたは銃を持っている。どうすればイノシシを仕留められるだろうか?」と質問しました。私が「イノシシがどこにいるかわからないなら、当てずっぽうにたくさん撃てばいいんじゃないですか?」と答えたところ、社長は「そうだよ。それがマーケティングにおいて大切なんだ」と言ってくれました。

 世の中の人々に何がウケるかわからなければ、まずは色んな方向に銃を撃てばいい。絶対どこかでイノシシがガサガサと動くから、そこを重点的に狙いにいけばいい。つまり、自分の向いている領域やヒットしそうな領域が全くわからない場合には、とにかく四方八方にいろいろなことをやってみるといいと思います。そのうち、コンテンツをとても喜んでもらえたり、特定の界隈の方々からの評判が良かったりと、誰かの予期せぬリアクションがあるはずです。周囲の反応をもとに、自分の向いている分野がわかってきます。

――得意分野を見つけるうえで、とても大切な考え方ですね。

 ですが、いろいろなことに取り組むとはいっても、自分が好きになれない領域には手を出さない方がいいと思います。もしも、本当はやりたくない領域に取り組んで人気が出たら、嫌なことをずっと続けなければいけなくなりますから。

SNSを活用して、人とのつながりを広げていくには

――自分のアウトプットしたものをより多くの人に届けていくには、人とのつながりを広げていくことも大切です。何か、今日からすぐ実践できる良い方法はあるでしょうか?

 SNS上で、好きなサービスの公式アカウントに対して、メンションをつけて投稿してみることをおすすめします。もちろん、好きなサービスだけではなく、尊敬するエンジニアや好きな本の筆者など、対象とするアカウントは何でも構いません。良いと思うところや感謝の気持ちなどを伝えてみてください。

 公式アカウントやご本人に対してメンションするのは勇気がいるかもしれません。でも、逆の立場になって考えてみれば、けして恥ずかしがることはないと気づけるはずです。「○○というサービスのUIがとても優れていて、使いやすかったです」とか「○○さんの書いた記事が役に立ちました」というコメントをいただけたら、すごく嬉しいじゃないですか。

 その方々が自分に興味を持ってくださるかもしれないですし、メンションをつけた投稿を二次拡散していただけるかもしれません。有名な方や有名な企業はフォロワーも多いですから、拡散されることでさまざまな方に自分のことを認知していただける可能性が高くなります。なかなか人のつながりを広げられないと悩まれている方は、SNSで積極的に他の方々の力を借りるといいと思います。

――投稿をより効果的にするために、記載する内容で工夫できることはありますか?

 単にメンションをつけて投稿するだけではなく、何かしら情報発信における軸があるとより良いですね。例えば定期的に、新しくリリースされたWebサービスのレビューをブログに書いたうえで、記事のURLを貼り付けてSNSに投稿してみるとか。何かのイベントがあったときには、グラフィックレコーディングを書いて同様に投稿してみるとか。そうすることで、他の方々から「よく○○を書いている人」と認知していただけるはずです。

 実は私も、それに近しいことに取り組んでみようと構想しています。私がやりたいと思っているのは、自分が好きなサービスを漫画にすること。作品ができたら、SNS上で制作者やサービスの公式アカウントにメンションをつけて投稿してみたいと思っています。

次のページ
コロナ禍のいまだからこそ、新しい情報発信の形を

この記事は参考になりましたか?

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
自分の可能性を広げよう!U30デベロッパーのための「キャリアのすゝめ」連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

中薗 昴(ナカゾノ スバル)

 週の半分はエンジニア、もう半分はライター・編集者として働くパラレルキャリアの人。現職のエンジニアとして培った知識・経験を強みに、専門性の高いIT系コンテンツの制作を行う。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

鍋島 英莉(編集部)(ナベシマ エリ)

2019年に翔泳社へ中途入社し、CodeZine編集部に配属。同志社大学文学部文化史学科卒。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

  • X ポスト
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
CodeZine(コードジン)
https://codezine.jp/article/detail/12622 2020/08/04 11:00

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング