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「プロダクトマネージャー3年目の壁」を乗り越える方法とは? メルペイPM丹野氏がケーススタディで解説

部門を越え、共通のゴールを持つグロースチームを作る

 続いてのシーンはマーケティング部門との関わり合い。マーケティングチームは、見込み客を獲得したり、トライアル利用を増やしたりしているものの、契約件数は増えていないといった状況。「プロダクトが使いづらいからUXを改善してほしい」と指摘されているが、実はプロダクトはそこまで使いにくいものとも思えないといった設定だ。

 ここでも丹野氏は参加者に意見を募った。「トライアルから本契約に至ったユーザーにインタビューする」「ターゲットでない顧客がトライアルしている可能性があるので、本契約とトライアル終了顧客の使い方を比較してみる」「実際に購入に至らなかった人も含め、直接声を聞く機会を設ける」といった意見が集まった。

 今回の設定では、マーケティング部門が行った対策が、ポイント活用サイトでのポイント付与をインセンティブにトライアル件数を増やしていたというケースが示された。少し極端な例ではあるが、マーケティング部門が目先の獲得数だけを求めて、本質的なユーザーを獲得できていないケースはあり得る。

 このような問題に対して丹野氏は「ファネルの一番奥のCPAでマーケティング施策を評価しなければいけません。トライアル申し込みでなく、契約をコンバージョンにして評価することが必要です。マーケティングチームがリード獲得やトライアル獲得、プロダクトチームが本契約の獲得と、役割分担をすると一見きれいに見えますが、足並みを乱す原因です。そこで、Web解析のデータと、プロダクトの利用ログを突合する仕組みを準備します。さらに、各部門からメンバーを募り共通のKPIで評価する仮想のグロースチームを作るのがおすすめです」と解説した。

 また、グロースチームのメンバーは共通のKPIを持つだけでなく、一緒にカスタマージャーニーマップを作ることで、顧客が商品やサービスを知ってから購買に至るまでのプロセスで生じる課題を共有できるという。

 グロースチームが機能するためのヒントとして丹野氏は「定例ミーティングを開催し、みんなで一緒にアイデアを出すことで一体感を得ることができます。また、共通KPIの達成が人事評価につながるよう設定されると、それぞれの動き方が変わります。結束力を高めるために重要なのがチームビルディングです。3年目だと他の部門とのやりとりを遠慮してしまうかもしれませんが、そうした壁を乗り越えていく必要があります」と説明した。

機能ではなく、提供できる価値を話題の中心にする

 3つ目のシーンは、営業部門との関わり方。「競合と比べると機能数が足りず、提案する前に機能比較表で負けてしまう」という声が挙がったという設定。一方で、機能差を埋めるための開発チームの人員も足りないという問題だ。

 今回も丹野氏は参加者の声を募り、「機能数に優位性がないので、差別化する」「失注原因を分析し、機能数が失注理由となっているのか事実の確認」「機能追加が売上にどのようなインパクトがあるのか振り返りを行う」「開発人員を増やすようなエスカレーションをする」といった意見が集まった。

 営業の意見を鵜呑みにして競合と同質化していって本当に勝てるのだろうかといった疑問も生じる。そこで丹野氏は、「(1)顧客が望んでいて(2)競合が提供できず(3)自社が提供できる価値、という『バリュープロポジション』が明確になっているかを問いかけてほしいです。プロダクトの機能や品質を売り込もうとすると競合と同質化し価格競争になりやすいので、プロダクトが提供する価値を売り込むべきです。たとえ自分では明確になっていても、営業の人と認識が合っているかどうかも重要です」と述べた。

 丹野氏は、プロダクトの価値を見極めるためのフレームワークとして「バリュープロポジション・キャンバス」を示した。顧客が片付けたい仕事のために、解消しないと意味がない問題(ペイン)と、さらに満たされるとうれしいこと(ゲイン)をプロダクトに照らし合わせたものだ。こうしたツールを使って営業チームとともに議論し、独自の差別化要素を見つけていくのだ。

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この記事の著者

森 英信(モリ ヒデノブ)

就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務やWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業。編集プロダクション業務においては、IT・HR関連の事例取材に加え、英語での海外スタートアップ取材などを手がける。独自開発のAI文字起こし・...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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