SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

WTPではじめるサーバサイドJava入門

サーバサイドJava入門 ログイン処理とサイト攻撃対策の基礎

第4回 セッションとクッキー


  • このエントリーをはてなブックマークに追加

WTPではじめるサーバサイドJava入門第4回です。今回は、Webの世界特有のセッションとクッキーについて説明をしましょう。またサイト攻撃への初歩的な対処についても触れます。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

はじめに

 今回は、ブラウザに情報を保管するクッキーと、クライアントとの連続した接続を確保するセッションについて、その働きと使い方を学習します。また、ある程度プログラムが作れるようになってきたら、サイト攻撃への対応についても考えなければいけません。最も基本とも言えるXSS攻撃関係の対応について簡単にまとめておきましょう。

過去の記事

対象読者

  • Javaの基本(文法全般および基本的なクラスライブラリの使い方程度)をマスターしている人。
  • サーバサイド(JSP、サーブレット)について基礎から勉強したい人。
  • Eclipse WTPを使った開発に興味がある人。

セッションとは何か?

 前回までで、フォームを使ったデータのやり取りの基本は大体頭に入ったことと思います。その中で、「セッション」というものを利用して情報を受け渡す手法があることを説明しました。このセッションとは、一体ナニモノでしょうか?

 セッションは、「クライアント=サーバ間の連続した接続を確保するために考え出されたもの」です。一般に、ネットワーク関係ではサーバと接続を確立してから接続解除するまでの一連の流れを「セッション」と呼びます。

 が、考えてみると、Webの世界でこうした「常に特定のクライアントとの接続が確保されている」というのは不思議です。Webに、いつからそんな機能が追加されたんでしょうか? Webには、サーバとクライアントの間の接続を常に保ち続ける機能など本来ありません。要求を送信すると、毎回新たに接続がされ、やり取りが終わると解除されます。クライアントがサーバとの接続を保ち続けることはできないのです。

 このセッションというもの、種を明かせば「クライアントとサーバで相手を確認するための情報を保管し、毎回接続されるごとにそれをチェックする」ということで常に接続を保ち続けている「ふり」をしていたのです。つまり、実際には接続は保たれていないのだけど、毎回保管された情報をチェックし、「あ、これは前回アクセスしてきたのと同じクライアントだ」ということが分かったら、その続きをする、というようになっていたのです。

 このセッションの利用方法としては、前回説明したようにgetAttribute/setAttributeを使って値を保管し受け渡すということが基本となります。この他、セッションに関する情報や操作を行うものとして、次のようなメソッドが暗黙オブジェクトsessionに用意されています。

  • getId()
  • セッションを識別するためのID名を返すメソッド。返値はString。
     
  • setMaxInactiveInterval(int seconds)
  • getMaxInactiveInterval()
  • 一定時間が経過するとタイムアウトとなりセッションを無効にすることができる。setMaxInactiveIntervalは、タイムアウトまでの秒数を設定する。引数は秒数を示すint値。またgetMaxInactiveIntervalは現在のタイムアウトまでの秒数をint値で返す。
     
  • getCreationTime()
  • このセッションが作成された時刻をGMT 1970年1月1日0時からのミリ秒数として返す。返値はlongとなる。
     
  • getLastAccessedTime()
  • クライアントから最後に要求があった時刻をGMT 1970年1月1日0時からのミリ秒数として返す。返値はlong。
     
  • invalidate()
  • セッションを無効にする。これを実行すると、それまでのセッションは無効となり、setAttributeで保管された情報は消滅する。

セッションによるログイン処理

 このセッションをよく使うのが、ログインしてページアクセスする処理でしょう。特定のメンバーだけが利用できるサイトなどでは、最初にIDとパスワードを入力してログインした者だけがページにアクセスできるようになっています。こうしたログインシステムは、セッションを利用すると比較的簡単に作ることができます。

 考え方としては、次のようになります。――最初にログインページを用意し、そこからIDとパスワードを送信します。そこで送られたIDとパスワードが間違っていないかチェックし、正しければ、ログインしたことを示す情報をセッションに保管します。それぞれのページでは、最初にこの情報をチェックして、ログインしていなかったら別のページ(エラーページやログインページなど)にリダイレクトします。

 ここでは、次のような形でページを作成し、簡単なログインシステムを動かしてみます。

  • index.jsp
  • ――ログインページ
  • index_action.jsp
  • ――ログインをチェックする処理
  • page.jsp
  • ――メンバーオンリーのページサンプル

 今回の例では、ログインページと、送信された情報を元に処理をするページを分けています。前回までのように1つのファイルで処理することもできますが、分かりやすくするためにこのようにしてあります。では各ファイルを作成し、以下に掲載するリストに従って記述をしていきましょう。

index.jspのリスト
<%@ page language="java" contentType="text/html; charset=windows-31j"
    pageEncoding="windows-31j"%>
<!DOCTYPE HTML PUBLIC "-//W3C//DTD HTML 4.01 Transitional//EN">
<html>
    <head>
        <meta http-equiv="Content-Type" content="text/html;
charset=windows-31j">
<title>JSP SAMPLE</title> </head> <body> <% request.setCharacterEncoding("windows-31j"); if (session.getAttribute("login") != null && !session.getAttribute("login").equals("true")) out.println("※ログインに失敗しました。"); %> <form method="post" action="./index_action.jsp"> <table> <tr> <td>ID:</td><td><input type="text" name="id"></td> </tr><tr> <td>PASS:</td><td><input type="password" name="pass"></td> </tr><tr> <td></td><td><input type="submit"></td> </tr> </table> </form> </body> </html>
index_action.jspのリスト
<%@ page language="java" contentType="text/html; charset=windows-31j"
    pageEncoding="windows-31j"%>

<%
String id_str = "code";
String pass_str = "zine";

request.setCharacterEncoding("windows-31j");
String id = request.getParameter("id");
id = id == null ? "" : id;
String pass = request.getParameter("pass");
pass = pass == null ? "" : pass;
if (id.equals(id_str) && pass.equals(pass_str)){
    session.setMaxInactiveInterval(60 * 10);
    session.setAttribute("login","true");
    pageContext.forward("./page.jsp");
} else {
    session.setAttribute("login","false");
    pageContext.forward("./index.jsp");
}
%>
page.jspのリスト
<%@ page language="java" contentType="text/html; charset=windows-31j"
    pageEncoding="windows-31j"%>
<%
request.setCharacterEncoding("windows-31j");
String login = (String)session.getAttribute("login");
if (login == null || !login.equals("true")){
    pageContext.forward("./index.jsp");
}
%>
<!DOCTYPE HTML PUBLIC "-//W3C//DTD HTML 4.01 Transitional//EN">
<html>
<head>
<meta http-equiv="Content-Type" content="text/html;
charset=windows-31j">
<title>PAGE</title> </head> <body> ※これは、ログインすると表示されるページです。 </body> </html>
IDとパスワードを入力して送信する。
IDとパスワードを入力して送信する。
正しくIDとパスワードが入力されると、ログインされ、page.jspが表示される。
正しくIDとパスワードが入力されると、ログインされ、page.jspが表示される。

会員登録無料すると、続きをお読みいただけます

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

次のページ
ログイン処理の流れ

この記事は参考になりましたか?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
WTPではじめるサーバサイドJava入門連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

掌田 津耶乃(ショウダ ツヤノ)

三文ライター&三流プログラマ。主にビギナーに向けたプログラミング関連の執筆を中心に活動している。※現在、入門ドキュメントサイト「libro」、カード型学習サイト「CARD.tuyano.com」を公開...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
CodeZine(コードジン)
https://codezine.jp/article/detail/1418 2008/08/19 20:22

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

CodeZine編集部では、現場で活躍するデベロッパーをスターにするためのカンファレンス「Developers Summit」や、エンジニアの生きざまをブーストするためのイベント「Developers Boost」など、さまざまなカンファレンスを企画・運営しています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング