解説:教えて那々子先生
不正アクセス行為の禁止等に関する法律(不正アクセス禁止法)では、以下の行為が禁止されています。
- 不正アクセス行為(第3条)
- 他人の識別符号を不正に取得する行為(第4条)
- 不正アクセス行為を助長する行為(第5条)
- 他人の識別符号を不正に保管する行為(第6条)
- 識別符号の入力を不正に要求する行為(第7条)
その中でも、全ての肝となるが「不正アクセス行為」です。では、この「不正アクセス行為」とは一体何でしょうか?
不正アクセス行為とは
「不正アクセス行為」とは、不正アクセス禁止法第2条第4項に以下のように定められています。
第二条
4 この法律において「不正アクセス行為」とは、次の各号のいずれかに該当する行為をいう。
一 アクセス制御機能を有する特定電子計算機に電気通信回線を通じて当該アクセス制御機能に係る他人の識別符号を入力して当該特定電子計算機を作動させ、当該アクセス制御機能により制限されている特定利用をし得る状態にさせる行為(当該アクセス制御機能を付加したアクセス管理者がするもの及び当該アクセス管理者又は当該識別符号に係る利用権者の承諾を得てするものを除く。)
二 アクセス制御機能を有する特定電子計算機に電気通信回線を通じて当該アクセス制御機能による特定利用の制限を免れることができる情報(識別符号であるものを除く。)又は指令を入力して当該特定電子計算機を作動させ、その制限されている特定利用をし得る状態にさせる行為(当該アクセス制御機能を付加したアクセス管理者がするもの及び当該アクセス管理者の承諾を得てするものを除く。次号において同じ。)
三 電気通信回線を介して接続された他の特定電子計算機が有するアクセス制御機能によりその特定利用を制限されている特定電子計算機に電気通信回線を通じてその制限を免れることができる情報又は指令を入力して当該特定電子計算機を作動させ、その制限されている特定利用をし得る状態にさせる行為
簡単に言えば、ログイン機能のあるWebサイトなどに対して、以下のような行為を行うことが不正アクセス行為であるということです。
- 勝手に他人の識別符号(IDとパスワードなど)でログインする(第1号)
- 脆弱性を突くなどの方法によりログインを回避する(第2号、第3号)
「流出したパスワードで有名人のアカウントにログインした」「同級生のパスワードを推測してログインした」という事例が多々あります。しかし、たとえ悪気がなくとも、このような行為は、不正アクセス行為に該当すると考えられます。決して行わないようにしましょう。
また、「パスワードを晒す」という行為も行ってはなりません。不正アクセス禁止法では、不正アクセス行為を助長する行為も同様に禁止されているからです。この点にも留意が必要です。
承諾を得た場合は……
不正アクセス行為の定義には、例外があります。
法律の条文を読むと第2条第4項第1号については「(当該アクセス制御機能を付加したアクセス管理者がするもの及び当該アクセス管理者又は当該識別符号に係る利用権者の承諾を得てするものを除く。)」とあります。言い換えれば、管理者が利用者のIDとパスワードを入力してログインする場合、管理者の承諾がある場合、利用権者の承諾がある場合は、「不正アクセス行為」にはなりません。
ただし、脆弱性を突いてログインする場合など(同第2号と第3号)については、利用権者の承諾は関係ありません。たとえ利用権者の承諾があったとしても不正アクセス行為に該当してしまうため、留意が必要です。
