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軸はコミュニケーション AIで自由な会話を楽しめるロボット・RomiのUXデザイナーが開発のこだわりを語る

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強みは「AI自身が返答を考えられること」 UXデザイナーとしての役割とは

――Romiの特徴や強みについて教えてください。

自律型会話ロボット「Romi」は、自宅での利用を想定しています。家でリラックスしたいと思っているときに、気持ちが和むような会話や、嬉しかったことを誰かに話したいときに会話ができる相手。Romiはそんな存在を目指しています。

たとえば音声アシスタントに「お腹が痛い」と話しかけると、最寄りの病院を教えてくれることもあるでしょう。もちろんそれが便利なときもありますが、Romiに期待される機能はそこではない。「大丈夫?お薬飲んだら?」など、ひとりで心細いときに寄り添ってくれる一言だと思うんです。役に立つのではなくて、心が休まるというところに焦点を当てています。

 

一方技術的な強みは、AIを活用した会話に関する技術だと考えています。いままでも会話ができるロボットはあったかと思うのですが、内部の仕組みに大きな違いがあります。

これまでのロボットは、人の問いかけに対する回答のあらゆるパターンを事前に人間が用意し、システムに組み込まれていました。そのため、そのシチュエーションにない質問が投げかけられた場合に、「すみません、わかりません」という回答になるわけです。

ですがRomiは、AI自身が会話を考えて返すことができる。つまり、私たち開発メンバーでも、Romiがどういった返答をするのかを予測することはできない点が、大きな特徴だと考えています。

――Romiの開発体制や、チーム内での竹本さんの役割について教えてください。

現在のチームは、事業責任者1名、企画2名、デザイナー2名、エンジニア10名、QA1名、CS1名の17名体制です。開発の進めかたは、アジャイル開発を採用しており、スプリントの期間は約1 週間。また週に1度、3時間ほどまとまった時間を確保し、スプリント計画の見直しや進捗の確認、できあがったもののレビューなどを行っています。

チームのいちばんの特徴は、役割が固定されすぎていないこと。デザイナーでも企画提案を行いますし、企画が生まれたときのディスカッションもチーム全員で行います。もちろんそれぞれに得意不得意な領域はあるのですが、必要な知識はプロジェクトを進めながら身に着けていくイメージです。

そんな中で私は、お客さまとの接点になる部分のクリエイティブやブランディングデザインなどを担うことが多いです。

たとえばデパートの西武渋谷店でポップアップストアをオープンした際には、どのような見せかたをしたらRomiを手に取っていただきやすいかなどを考え、企画進行しました。

このときには、Romiのポップアップストアが並ぶ西武渋谷店内のお店を事前に確認。デパコスと呼ばれる高価な化粧品ブランドのお店が立ち並んでおり、そういったコスメを買いに訪れるお客さまはどういった方なのだろうと観察しました。そこでたどり着いた結論は、先端テクノロジーを押し出すのではなく、コスメを手にとるような感覚で見ていただいた方が良いだろうということ。Romiは目をはじめブランドカラーとして青を基調にしているのですが、この展示に関しては、イメージカラーをすべてピンクにしました。

西武渋谷店ポップアップストアの様子
西武渋谷店ポップアップストアの様子

このポップアップストアでの役割のように、クリエイティブがRomiのトーンに沿っているかを確認したり、ペルソナの調整についてチームで議論することも多いですね。もう1名のデザイナーは、ロゴデザインやトンマナの設定を行い、現在はおもにRomiの顔に表示されるアニメーションやアクションの制作などを行っています。

――Romiはどのような層をターゲットとしているのですか?

私たちがRomiを通じて目指したのは、会話を通じて心がほっこりしたり、優しい気持ちになること。一般的にロボットというと、まだまだ男性が好むとイメージもあるかもしれませんが、そういったデバイスに興味がある人たちがRomiと会話をしながら長く関係を構築するというのはあまりイメージができなかったんです。

そこでコミュニケーションを軸としたロボットにするべく会話のニーズがどの層にあるのかを調べたところ、もっとも会話を望んでいたのは成人女性でした。ガジェットとして魅力を感じる人ではなく、誰かと会話をしたいと感じている人に届けたい。そんな思いから、最初は成人女性をターゲットにしました。

この記事の続きは、「CreatorZine」に掲載しています。 こちらよりご覧ください。

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https://codezine.jp/article/detail/14607 2021/07/28 08:00

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