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[前編]U-25のメンバーが主導した「Lovegraphアカデミー」リニューアルプロジェクト 裏側とこだわりとは

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関わる人の納得感を大切に プロジェクトのこだわりとは

――リニューアルのプロジェクトの中で、こだわった部分についてそれぞれお聞かせください。

鳩山 私がプロジェクトをとおしてこだわっていたのは、Lovegraphアカデミーを“ただの写真教室”にしない、という点です。

そもそも私は写真を学ぶ教室を探していたときにLovegraphアカデミーを知りました。実際に参加してみると友達もできるし、皆さん丁寧に教えてくれましたし、ただカメラの勉強をしたくて1日参加しただけなのに、まだ何度も行きたいと感じたことに驚きました。そしてなによりラブグラファー(ラブグラフのフォトグラファーのこと)の方々がとても素敵で、お話を聞くなかで感じた「ラブグラファーは人の幸せを撮ることができる仕事だ」ということに心の底から感動したんです。その体験が結果的に、銀行を退職するという決断にもつながったほどです。

そのとき私自身が体感した、友達と写真を撮りにいく楽しさ、写真を学んで人生が楽しくなった気持ち、人のために写真を撮ることの意義のようなものをもっと多くの人に知ってもらいたい――。その思いが根幹にあったので、オンラインだからこそ全国の人とのつながりを感じながら一緒に学び、コロナ禍が終わったあとには全国の友達に会いにいけるという点を、写真教室プラスアルファの価値にしたいと考え、コース設計にも活かしました。

2020年当初の時点では、写真教室としての売上があまり芳しくなかったこともあり、事業をクローズしようかという話も実はありました。しかし私は、「もっとこのLovegraphアカデミーを多くの人に知ってもらいたい」、「写真を学ぶことによりもっと写真を撮ることを好きになってほしい」など、私自身が体験した写真の楽しさを伝えたいという気持ちがあったんです。

そこで企業のSNS運用は初めてでしたがInstagramに賭けてみようと、昨年2020年2月にチャレンジ。今では、アカデミーInstagramのフォロワーさんは7.6万人を突破し、多くの方にLovegraphアカデミーのことを知ってもらえるきっかけになれていることを嬉しく思います。

LovegraphアカデミーのInstagram
LovegraphアカデミーのInstagram

小林 UIで意識した点は大きく3つあります。ひとつめは、シンプルであることです。Lovegraphアカデミーのユーザーは、女性を中心に10代から50代と、かなり幅広い年齢層の方に利用していただいています。学生、ビジネスパーソン、主婦と属性もさまざまなだけでなく、写真のレベルも初心者からプロのフォトグラファーを目指す方までバラバラです。そういった皆さん全員にとって使いやすいUIをどのように目指すか、という点は常に意識していました。

私はIT系の会社にいることもあり、それなりにパソコンやスマホも使い慣れていますが、その前提で設計をしたことで失敗したケースもありました。頭を使って操作しなければいけないUIは、私が思う理想ではありません。あまりデジタルに慣れていない方でも使いやすいUIにしたい。それがふたつめに心がけていた、ユーザーさんのリテラシーを想像するという点にもつながります。

日頃からアンケートを実施していたこともあり、どんな方たちがいらっしゃるかは掴んでいたのですが、それ以外の部分は、社内のメンバーに作ったもののフィードバックをもらったり、違和感がある部分を教えてもらうなどコミュニケーションをとりながら、ひたすら動線をチェックしていきました。

3つめはテクニックの部分ではないのですが、常にユーザーさんの顔を思い浮かべることです。初めてのUI設計で不安もあるなか、とにかく私の原動力となっていたのが、喜んでくださる人たちの声や顔。このサービスをリニューアルしたらあのユーザーさんにとても喜んでもらえるんじゃないか。勉強しやすくなったという声をもらえたらうれしい。そういったことを想像しながら設計するようにしていました。

Lovegraphアカデミーのウェブサイト
Lovegraphアカデミーのウェブサイト

荒田 僕はただ見守っていただけではあるのですが(笑)、リニューアルに限らず、全員の納得感はとても大切にしています。

これでいこうと1回決まったけれど、数日後にモヤモヤして議論し直すこともあるのですが、そのときにすでに決まったことだからと流さず、同じ議論でも全員が納得するまで話すようにしていました。消化不良のままにしてしまうと、取り返しのつかないところで後悔することにもなりかねないので、思ったときに伝えるし、ひとりの納得感のためにとことん話し合う。それは僕だけでなく、チーム全員が意識できていたと思います。

もちろん、現場でメンターをしてくれているフォトグラファーも何十人といますし、受講生の方含めると、全員が全員100%の納得感をもって進められたかわけではありません。もう少しできたのではないかと思う部分もありました。ですが、「納得している?」、「いま言いかけたけど何か言いたいことあった?」など、気づく限りは徹底的に聞くようにし、関わる人たちが納得できているかを確認するよう心がけていました

一方、事業責任者としては売上をはじめとしたお金の部分もみなければいけないのですが、そちらにとらわれすぎるとお金稼ぎのためのビジネスになってしまい、なにか良くない方向に進んでしまう気もしていて……。まずはみんなが納得しながらやりたいことをするためにはどうするか。その次に、それをビジネスとして成り立たせるためにはなにが必要か、といった順序を大切にしています。

(後編につづく)

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https://codezine.jp/article/detail/14758 2021/08/27 08:00

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