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ソフトの進化とコロナ禍によってなにが変わったのか 実写VR制作現場のリアルをコンセント・渡邊課に聞く

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 デザイン会社・コンセントで、実写VR映像制作を中心に、視聴者に没入感を伴った映像体験の企画・撮影・制作を手がける渡邊課。課長をつとめる渡邊さんは、没入感をともなった映像体験を視聴者に届けるべく、その企画から撮影、制作を担っている。2014年ごろからVRを手掛けるようになった渡邊さんだが、コロナ禍を境に、クリエイター視点での作業環境や市場の変化を感じているという。今回は、2021年の実写VR制作現場のリアルについて、話を聞いた。

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実写VRとCGで作られたVRの違いとは

――まずは、渡邊課が得意とする実写VRと、CGで作られたVRコンテンツとの違いについて教えてください。

まず、普段僕らが扱っている実写VRは、360度動画や全天球動画と言われることもあります。これは“擬似的なVR体験”と捉えるとわかりやすいかもしれません。

体験するユーザーではなく制作側の任意のタイミングで動画のインタラクションが盛り込まれているため、ユーザー側でコントロールすることができない。そういった意味では、遊園地のライド型のアトラクションが近いと思います。そのため実写VRでは、ユーザーが置いてきぼりにならないような体験の設計が重要になってきます。

一方、CGを使うVRは、ゲームであったり空間を歩けるものであったり、ユーザー起点で動かすことができるものも多いです。前に進むか進まないか、攻撃するのかしないのかといった判断は、ユーザー側に委ねられる。その点が大きく違いますね。

――制作コストの面で、双方に差はありますか?

CGを使ってゲームを制作することをイメージしてもらうと、膨大な時間とコストがかかることは想像に難くないでしょう。もちろん、Unityのアセットに代表されるように、パーツを組み合わせることで、一定水準の体験をインタラクションつきで制作することはできますが、細部まで作り込んだものを制作しようと思えば、半年以上かかることも珍しくはありません。

一方で、僕らが得意とする実写VRの場合、たとえば「芸人さんが迫ってくる体験」を作りたいと思ったら、ご本人に来ていただいて動画を撮影すればいい。工程としてはとてもシンプルなんです。

ただ、二次元の要素をもったテレビドラマを撮影する場合とは異なり、空間的なつながりは意識する必要があります。カット割りがしづらいので、一連での演技やパフォーマンスになるんです。そういった意味で、実写VRに人物が登場するときの出演者は、舞台で演劇を演じてもらう感覚に近いかと思います。

また、使用するカメラによって撮影できる動画にも違いが生まれます。360度映像は複数のレンズとカメラの映像をつなげて作成するため、カメラの台数によって仕上がりの雰囲気が大きく変わります。物理的にレンズの数が多い製品では、ステッチ(画像をつなぐ作業)の関係で近接距離の撮影が苦手ですが、全体の解像感は高くなる。

一方、レンズがふたつの製品の場合、イメージセンサーが小さくなるので解像感は劣りますが、すぐ近くまで迫ってくるようなインパクトがある映像を撮ることが可能です。

この記事の続きは、「CreatorZine」に掲載しています。 こちらよりご覧ください。

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https://codezine.jp/article/detail/15003 2021/10/11 08:00

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