「TypeScript 4.5」における、ベータ版以降に行われた最大の変更は、Node.js 12のECMAScriptモジュールのサポートが将来リリースまで延期されたことで、Nightlyリリースにて実験的なフラグのみで利用できるようになっている。
さらに、特定の組み込みlibをオーバーライドする仕組みが導入され、依存関係マネージャのロックファイルによって、DOMタイプのまったく同じバージョンが使用されるようになり、独自の条件でタイプを更新可能になった。また、Promiseを再帰的にアンラップするAwaited型が導入されたほか、テンプレート文字列型を持つ値を絞り込めるようになり、テンプレート文字列型を判別式として認識するようになっている。
ほかにも、条件付き型に対して末尾再帰の除去を実行することで、条件付き型の1つのブランチが単に別の条件付き型である限り、中間のインスタンス化を回避できるようにするとともに、--preserveValueImportsという新しいフラグを有効にして、JavaScriptの出力からインポートされた値を削除しないようにすることが可能になるなど、数多くの機能追加・改善が行われた。