業界や顧客に対する「解像度」を高めるための開発チーム作り
2013年に設立されたhacomonoは、フィットネスクラブやジム、ダンススタジオなどのいわゆる「ウェルネス産業」に特化したSaaSサービスを提供する企業。「ウェルネス業界を、新次元へ」というミッションを掲げ、デジタル化が比較的遅れているウェルネス業界の企業にオンラインサービスを提供することで産業構造に変革をもたらすことを目指している。
同社のサービスは会員管理、予約、決済システムを中心に、ウェルネス業界で必要とされるさまざまな業務機能を提供しており、2021年12月末時点で既に1000店舗以上に導入されているという。現在もサービス品質を高めながら顧客の要望に応えるべく、開発に余念がない。
なお、取締役CTOを務める工藤真氏によれば、同社ではサービス開発において以下の3つの大事なテーマを掲げているという。
- 業界一解像度の高い開発チームへ
- 特定の課題・領域にフォーカスして作り込み
- 業界にとってのAll-in-one SaaSを目指す
1つ目に掲げる「解像度の高い開発チーム」とは、たとえ開発者でも、ただ顧客から言われた通りのものを作るのではなく、業界の事情やビジネス慣習、業務知識などに深く精通し、業界・業務に対する「解像度」を高めた上で、ものづくりに臨む必要性を説いている。こうした姿勢の重要性について、工藤氏は次のように述べる。
「ウェルネス業界と一口に言っても、業種・業態や個々の企業・店舗ごとに多種多様な要件が存在します。これらが個社要件なのか、業界固有の課題なのか、あるいは汎用的な課題なのか、エンジニア自身が判断できずに場当たり的に対応してしまうと、無駄な機能だらけで拡張性のないシステムが出来上がってしまいます。こうした事態を避けるには、言われたものをただ作るだけでなく、開発チームが自ら業界について深く知り、仮説を立てて自走できるようになる必要があります」(工藤氏)
こうして開発チームが業界や顧客に対する解像度を上げられるように、同社ではさまざまな工夫を凝らしている。例えば、営業担当者やCS担当者とともに顧客を訪問してヒアリングを行ったり、店舗を見学したりといった場を積極的に設けている。
また開発チームメンバーが自らジムやエステを積極的に利用して業界事情を肌で感じられるよう、利用補助制度を設けたり、社内でウェルネス関連のセミナーやイベントを開催して知識を深められる場を提供したりしている。さらには、全社的に「ウィズ・カスタマー(With Customer)」というバリューを掲げ、顧客に真摯に向き合い伴走するカルチャーを社内に根付かせるべく、従業員同士で顧客に向き合う活動を称賛し合い、社内で表彰するといった活動も行っている。
「もちろん、こうした活動は開発チーム単独でできるわけではなく、日ごろから業界との関係性を作ってくれている他チームの活動があってこそです。そのため、業界の皆さま・他チームへのリスペクトも常に大事にするよう心掛けています」(工藤氏)
セミナーのご案内
3月23日(水)から5週連続で、hacomonoの「Think Bic.」を語りつくすオンラインイベントが開催されます。開発チームをはじめ各チームのキーマンが登壇し、これからのhacomonoについて熱く語ります。ぜひご参加ください。