エクサウィザーズは、AI/DXソフトウェアを顧客が内製し、運営することを可能にする開発環境「exaBase Studio」を、5月11日に発表した。
「exaBase Studio」は、わかりやすいUIで開発の煩雑な手順をオートメーション化することで開発プロセスを大きく変え、AIの民主化を実現する開発環境。
経営者や業務をよく知る社内人材を中心とした、サービスの設計・更新、部門をまたいだアジャイル型のサービス拡張を実現する。
先進的な取り組みを加速したいと考える企業を中心に、2022年度下期にパイロットプロジェクトを実施し、来期の本格展開を見据えており、課金体系や料金水準などについては、導入顧客の用途領域や範囲に応じて設定していく予定となっている。
AI/DXソフトウェアの設計や更新・拡張を、機能を示す各コンポーネントを画面上でドラッグ&ドロップしたり、繋がりを設定したりすることでノーコードで実現でき、関係者の主体的関与やステークホルダーの意思疎通を促進し内製を推進する。
従来はAIモデル、ソフトウェア、UIなどを個別に実行環境上に設定して、性能や安定性、セキュリティなどを考慮したインフラを構築する必要があったが、「exaBase Studio」なら業務に必要なこれらの要素を組み合わせて設計した上で設計図を自動的に生成し、指定したクラウドサービス上にAIモデルやUIなどを自動で構築して、ただちに活用が可能になる。
「exaBase」として蓄積してきた、AIモデルのアセットやサービス、外部のAPI、マルチモーダルなさまざまなAIモデルも取り込んで、自由に組み合わせてオープンに連携できる。
さらに、コンポーネントを組み替えるだけで新規ソフトウェアの開発や追加、変更が可能であり、業務を遂行しつつアジャイル型で現場において試行錯誤しながら改善でき、顧客企業も処理のロジックを把握し、足りない機能はコンポーネントごとに開発とリリースを繰り返せる。
おもな構成要素は、利用可能なAI、UI、ソフトウェアの各コンポーネント一覧を表示する「Palette」、Paletteから各コンポーネントを選択し配置することで、データ処理の内容、処理の実行条件、結果の可視化方法を設計できる「Canvas」、Canvasから出力されたデータの処理内容や利用するAIモデル、処理の実行条件、結果の可視化の方法などを定義した設計図である「exaBase Blueprint」、exaBase Blueprintに定義されたソフトウェアを実現する上で必要な、クラウドインフラの構築、データソースとの連携、データ処理機能の構築などを自動で行う「Constructor」、Paletteへ実行可能なAIモデル一覧を提供しつつ、Constructorが出力したクラウドインフラに対してAIモデルを動的に統合し実行・結果取得するための機能をAPIとして提供する「exaBase Machine Learning API」で、exaBaseで扱えるAIモデルを柔軟に組み合わせ、業務を支援するAI/DXソフトウェアの開発を現場主導で進められる。
なお、exaBaseに存在しないAIモデルを含むコンポーネントを、後から追加することもできるようになっており、空のコンポーネントを追加して全体設計を先行させ、プロジェクトを止めずに開発やテストの反復が可能になっている。また、開発したAIモデルの性能が期待に達しない場合は、新たなモデルの開発を外注しておいて、両者を並行稼動させて比較テストすることも容易なため、人的、時間的、金銭的コストの効率化にもつながる。
この記事は参考になりましたか?
- この記事の著者
-
CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
CodeZineは、株式会社翔泳社が運営するソフトウェア開発者向けのWebメディアです。「デベロッパーの成長と課題解決に貢献するメディア」をコンセプトに、現場で役立つ最新情報を日々お届けします。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です