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分析関数の衝撃

分析関数の衝撃5(総集編)

CodeZineに掲載されたSQLを分析関数で記述する 5


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2. 旅人算の感覚を応用する(3人旅人算)

 次は、3人旅人算の感覚を応用したSQLです。

 後編の「最大何人まで座れますか?」では、下記のselect文で、case式でwillSumを求めて、willSumの累計でグループ化しました。

後編で使用したSQL
select start_seat,end_seat,seat_cnt
from (select min(seat) as start_seat,
      max(seat) as end_seat,
      count(*) as seat_cnt,
      max(count(*)) over() as maxSeat_cnt
      from (select seat,
            sum(willSum) over(order by seat) as makeGroup
            from (select seat,status,
                  case when Lag(status) over(order by seat) = '空'
                       then 0 else 1 end as willSum
                  from Seats3)
            where status = '空')
      group by makeGroup)
where seat_cnt = maxSeat_cnt;

 旅人算の感覚(3人旅人算)を使って書き換えてみましょう。まずは、テーブルのデータと、出力結果を考えます。

Seats3テーブル
seat status
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
出力結果
SeatStart SeatEnd Seat_Cnt
2 5 4

 答えは下記となります。

旅人算の感覚(3人旅人算)を使って書き換えたSQL
select start_seat,end_seat,seat_cnt
from (select min(座席) as start_seat,
      max(座席) as end_seat,
      count(*) as seat_cnt,
      max(count(*)) over() as maxseat_cnt
      from (select 座席,状態,
            Row_Number() over(order by 座席)
           -Row_Number() over(partition by 状態 order by 座席) as makeGroup
            from Seats3)
      where 状態 = '空'
      group by makeGroup)
where seat_cnt = maxseat_cnt;

 1進む条件が異なる3人の旅人(旅人A、旅人B、旅人C)が数直線の原点からプラス方向に同時にスタートしたとして、

毎回1進む旅人Aの位置
Row_Number() over(order by 座席)
状態='空'なら1進む旅人Bの位置
Row_Number() over(partition by 状態 order by 座席)
状態='占'なら1進む旅人Cの位置
Row_Number() over(partition by 状態 order by 座席)

 と考えています。

 順を追って説明すると、最も内側のselect文で、2つのRow_Number関数の結果の差を求め、旅人Aと旅人Bの位置の差、および、旅人Aと旅人Cの位置の差を求めています。

 旅人Aと旅人Bの位置の差は、広義の単調増加(大きくなるかそのまま)であると分かります。

 状態が連続して'空'であるなら、旅人Aと旅人Bの位置の差はそのままで、連続して'空'でなくなったら旅人Aと旅人Bの位置の差が大きくなります。そして、旅人Aとの位置の差を列別名makeGroupとして求めてます。

 そして、次に内側のselect文のwhere句で状態 = '空' を指定し、group by makeGroupでグループ化して、分析関数のmax関数でcount(*)が最大のグループを求め、最も外側のselect文のwhere句で使用しています。

 SQLのイメージは下記となります。旅人Aと旅人Bの位置の差に注目すると分かりやすいでしょう。

SQLのイメージ
座席  状態  3人の旅人の位置
----  ----  - 0- 1- 2- 3- 4- 5- 6- 7- 8- 9-10-
 1    占    |B |AC|  |  |  |  |  |  |  |  |  |
 2    空    |  |BC|A |  |  |  |  |  |  |  |  |
 3    空    |  | C|B |A |  |  |  |  |  |  |  |
 4    空    |  | C|  |B |A |  |  |  |  |  |  |
 5    空    |  | C|  |  |B |A |  |  |  |  |  |
 6    占    |  |  | C|  |B |  |A |  |  |  |  |
 7    空    |  |  | C|  |  |B |  |A |  |  |  |
 8    占    |  |  |  | C|  |B |  |  |A |  |  |
 9    空    |  |  |  | C|  |  |B |  |  |A |  |
10    空    |  |  |  | C|  |  |  |B |  |  |A |

次のページ
3. minus allとintersect allを模倣

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この記事の著者

山岸 賢治(ヤマギシ ケンジ)

趣味が競技プログラミングなWebエンジニアで、OracleSQLパズルの運営者。AtCoderの最高レーティングは1204(水色)。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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CodeZine(コードジン)
https://codezine.jp/article/detail/1594 2008/10/07 19:35

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