日本発のShopifyアプリは増えたものの、利用率はまだまだ27%
個人から大企業まで、数百万以上のマーチャントに利用されているShopify。現在は175カ国以上でサービスを展開している。Shopifyの特徴は「One Platform, Every Channel, Any Device」。「あらゆる販売タッチポイントで動作するコマースに特化したOS的な振る舞いをするサービス」と岡村氏は説明する。
一般的にShopifyはECカートに分類されており、多くの人もそのイメージが強いと思われるが、「ECカート機能は一部分でしかない」と岡村氏は言い切る。実店舗で使うPOS機能の提供をはじめ、他のマーケットプレイスやソーシャルメディア、スマートフォンアプリ、外部サイトなどの多種多様なチャネルに対応し、さまざまなカスタマイズができるマルチプラットフォームだからだ。
そのような柔軟かつ多彩な機能を実現しているのが、豊富で使いやすいAPIやテンプレートなどの仕組み。どんなAPIやテンプレートが提供されているか、Shopifyにかかわる技術情報はすべてShopify.devに記載されているという。
Shopifyが多くのマーチャントに利用されている理由はそれだけではない。毎年、多くの製品アップデートを行っていることも理由の一つだろう。「今年からはShopify Editionsというランディングページを公開し、100に及ぶ機能追加の発表を行いました。最新のコマース体験を見たい方は、ぜひShopify Editionsにアクセスしてください。開発者の皆さんがワクワクするようなアップデートが確認できます」(岡村氏)
このようなShopifyの進化、および提供する価値は、Shopify単独で成し遂げられるものではなく、「Shopifyパートナーの存在があって初めて実現できること」と岡村氏。Shopifyに拡張を与えるアプリの数は8000超、またマーチャントのためにストア構築を代行する開発制作会社は4万社を超えているという。
では日本におけるパートナーエコシステムはどのような状況なのか。
「ありがたいことにここ数年で、グローバルの成長に引けを取らない勢いで成長している」と岡村氏は語る。日本のパートナーが開発して公開したアプリも2021年末と比べて3倍以上増加するなど、ここ最近、一気に増えているという。「日本のマーチャントの固有なニーズを叶え、Shopifyの利用に役立っている」(岡村氏)
とはいえ、22年の日本のマーチャントが利用しているアプリの内、日本のパートナーが開発したアプリの割合は27%とまだまだ低い。「伸び代はまだ十分ある」と岡村氏は言う。
では具体的にどんなアプリが開発されているのか。それを確認できるのが、「Shopifyアプリストア」である。例えば日本向けのアプリを検索したいのなら、検索窓に「日本」と入力する。すると、日本のパートナーが作ったものだけではなく、海外のパートナーが作ったものでも日本語対応した日本向けのアプリが検索できるという。「興味のある人はぜひ、検索して欲しい」(岡村氏)
パートナーエコシステムの力が発揮されるのはアプリだけではない。Shopifyではテーマと呼ばれるオンラインストアのデザインテンプレートがShopifyテーマストアで公開されている。もちろんShopifyが提供する無料のテーマもあるが、Shopifyパートナーが開発した有料テーマも公開されている。だが、「まだ日本のパートナーが公開した実績はない」と岡村氏。もちろんShopifyもその状況を放置しているわけではない。昨年末には、日本の開発者向けに行っている日本のパートナーにテーマを公開してもらうべく、日本の開発者向けに行っているTwitch配信のスペシャルバージョンとして、グローバルのテーマ開発者開発者チームを交えたオンラインワークショップを開催したという。「この配信はShopify Japanの公式YouTubeチャンネルに残っておりますので、ぜひ見てみてください」(岡村氏)