はじめに
Alinous-Coreの開発用実行環境は、Eclipseプラグインで提供されており、簡単に環境構築することが出来たと思いますが、外部公開サーバ構築方法はあまり知られていないと思います。本稿では、一般的なLinux環境においてAlinous-Coreの外部公開サーバを構築するにあたり、必要なもの、構築の方法について説明します。本稿および他の関連記事を参照することにより、Alinous-Coreの外部公開サーバを構築、運用できるようにしていきます。
外部公開サーバの実行環境は?
Alinous-Coreの開発用実行環境はTomcatで動作しています。ほとんどの読者は、Windows環境にEclipse 3.xをインストールしてAlinous-Coreの開発環境を動かしていると思います。Eclipseでデバックサーバを立ち上げると、コンソールビューには「Starting Servlet Engine: Apache Tomcat」と表示されるのが確認できます。開発用実行環境はTomcatで動作していますが、Alinous-Coreの外部公開サーバ版もTomcatなどのJ2EE互換サーブレットコンテナ上で動作します。
サーブレットコンテナ以外に必要なものは、
- サーブレットコンテナを動かすためにJava VMが必要
- Java VMを動かすために、OSが必要
- DBサーバ
- WEBサーバ(必須ではない)
となります。
4番目のWEBサーバですが、サーブレットコンテナにWEBサーバ機能が内蔵されているので基本的に不要です。ただしAlinous-CoreまたはJavaアプリケーション以外で作成されたページ(例えばPHPやCGI)と連携させる場合に必要となります。本稿では、最も簡単な連携の仕方について紹介します。
必要なプロダクト
オペーレーティングシステム
Linux Kernel 2.6系を使用します。筆者がよく使用するディストリビューションはFedora Coreです。RHEの実験用ディストリビューションではありますが、情報が多々収集できるのと、最新のパッケージが取り入れられることが多いので重宝しています。
他には、RHE、RHEの互換であるCentOS、Vine、Miracle linux等々があります。ディストリビューションにより、インストールディレクトリなどが若干違うことがありますが、設定方法は基本的に同じです。今回は、Fedora Core 6を使用します。
Java VM
Alinous-CoreはJava JDK1.5以上で動作しますので、VMは1.5以上である必要があります。Fedora Core 6で標準的に提供されているJDKは1.4.2ですので、1.5以上のJDKをセットアップする必要があります。最新のJDKはsunダウンロードサイトより取得できます。
サーブレットコンテナとJDBCドライバー
Tomcatを使用します。Fedora Core 6ではTomcat 5のrpmが用意されているので、これを使用します。DBサーバと通信を行うため、使用するDBにあわせたJDBCドライバーも必要となります。
DBサーバ
2007/09/14現在、Alinous-Coreがサポートしているデータベースは、PostgreSQLとMySQLです。DBサーバはもちろんのこと、DBサーバと通信するために対応するJDBCドライバーが必要です。諸々の事情はあると思いますが、ライセンスの関係から、PostgreSQLを使用することお勧めいたします。
PostgreSQLのDBサーバ構築については、Linux版・PostgreSQLインストール手順を参照ください。JDBCドライバーはPostgreSQL、MySQLいずれも、Fedora Core 6ではrpmが用意されているので簡単にインストールできます。
WEBサーバ
Tomcatにも静的なコンテンツを表示する機能はありますが、PHPやCGIなどの既存で開発した資産と併用したい場合は、それらが動くWEBサーバが必要です。幸いにしてhttpd(Apache)は、Tomcat5との連携が簡単にできます。httpdはFedore Core 6でrpmが用意されているので簡単にインストールできます。
Alinous-Core外部公開サーバ(war)
Alinous-Core本体は、コンテンツ・クラスなどを統合したwarファイルで提供されます。ソースは、SourceForgeに格納されています。また、ソースからビルドした外部公開サーバ版を作成しているので取得してください。
Alinous-Coreで開発したアプリケーション
開発環境で作成し、デバックを完了したアプリケーションは、そのままソースをアップロードすることで、即時に反映されます。