積極的に投資し、優秀な人材も集めてJavaに貢献していく
寺田氏は、MicrosoftがJavaに積極的に貢献していることを示す近年の出来事として2つ挙げた。1つは、Javaの将来の仕様などについて話し合う場である「Java Community Process(JCP)」に参加したこと。2つ目は米Oracleが主催する年次開発者イベント「JavaOne」にスポンサーとして参加し、基調講演にMicrosoftの幹部が登壇したことだ。
JCPには2021年に参加し、2022年11月には新しい仕様の認可などに責任を持つ「Executive Committee」メンバーとなっている。投票で選ばれるExecutive Committeeのメンバーになったことは、MicrosoftがJavaコミュニティで厚い信頼を集めていることをあらわしていると言えるだろう。
そして寺田氏は、MicrosoftがJavaに積極的に投資し、優秀な人材を世界中から集めていることをアピールし、MicrosoftがJavaをサポートする体制が万全なものであることを強調した。寺田氏によると現在、MicrosoftにはJavaに精通した技術者が数多く在籍しており、中にはJavaの仕様策定を担当していた人物もいるそうだ。
ここで寺田氏は、MicrosoftがJava開発者向けに提供しているツールの例として、「Visual Studio Code」向けのJava関連拡張機能を挙げた。世界全体で利用者が200万人を突破するほどの人気を博している。寺田氏はVisual Studio CodeとJava関連拡張機能を組み合わせて利用することで、開発環境の整備が楽になり、開発効率を大きく高めることができると説明する。
Javaは、どのようなOSを使ってプログラムを開発しても、完成したプログラムはJava実行環境さえ用意すればコンパイルし直すことなくさまざまなOSで動作する。その特徴を表した「Write once, run anywhere」という標語をご存じの方も多いだろう。
しかし、現実にはそうはいかないことも多い。ある開発者が作ったプログラムが、他の開発者の環境では動かないことも発生する。また、開発したプログラムをテスト環境や本番環境に持っていくと問題が発生することも少なくない。