米Microsoftは、プログラミング言語TypeScriptの次期バージョンとなる「TypeScript 5.1」のリリース候補(RC)を、5月18日(現地時間)に公開した。以降、安定版のリリースまでは重大なバグ修正を除いて、これ以上の変更は行われない。
「TypeScript 5.1」で追加された新機能としては、undefinedを返す関数にreturn文が含まれなくなるとともに、明示的な型アノテーションがあればgetとsetのアクセサプロパティに完全に無関係な型が許可されるようになった。
さらに、JSX要素のタグとして使用できるものを正確に指定可能なJSX.ElementType型が検索されるようになったほか、JSXを使用する際の名前空間付き属性名のサポート、指定されたモジュール検索がパスを解決できない場合のtypeRootsでのパッケージ解決が行われるようになるとともに、宣言を既存のファイルに移動する機能のプレビュー版が追加されている。
ほかにも、JSXタグ名のリンク編集がサポートされるようになり、複数の場所を同時に自動編集することが可能になるとともに、TypeScriptファイルとJavaScriptファイルの両方で@paramタグを入力する際に、スニペット補完が提供されるようになった。また、外部型パラメータへの参照が含まれていないことがわかっているオブジェクト型内で、型のインスタンス化の実行が回避されるようになったほか、リテラル型を純粋なリテラル型の共用体に関連付ける場合に、共用体内の他のすべての型に対するフルウォークを回避できるようになり、JSDocコメントを分解するロジックがスキャナ/トークナイザに移されている。
重大な変更としては、ECMAScript 2020で導入されたJavaScript機能が同梱されるようになったため、TypeScriptをNode.js 14.17以降で実行する必要があるほか、過剰な検索が行われる可能性があることから、typeRootsの上位ディレクトリ向けウォークが無効化された。
なお、「TypeScript 5.1」安定版は、今後数週間以内のリリースが予定されている。また、開発チームはすでに「TypeScript 5.2」への取り組みも始めているという。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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