米Unity Technologiesは、AppleのMixed Reality(複合現実)ヘッドセット「Apple Vision Pro」のOSである「visionOS」に向けた開発ツールのベータ版の提供を7月19日(現地時間)に開始した。この開発ツールは、Appleが2023年6月5日に開催した年次開発者会議「Worldwide Developers Conference(WWDC)」でUnity Technologiesが予告したもので、希望者の申し込みを募っていた。
今回提供が始まった開発ツールを使うことで、Unity開発者が使い慣れた「Unity Editor」を利用してvisionOS向けのアプリケーションを開発できる。既存のUnityプログラムをvisionOS向けに移植する作業も簡単になる。開発の際には、Xcodeのプロジェクトに「XR plug-in」を組み込むことで、アプリケーションをVision Proやシミュレーターで動作させることができるようになる。
Unity TechnologiesはvisionOS向けプロジェクトでは、同社の「Universal Render Pipeline」を利用することを推奨している。これを利用することで、動的中心窩レンダリング(Dynamic Foveated Rendering:ユーザーの視野の中心を高解像度でレンダリングし、粗野の外側に行くに従って解像度を落とす手法)などのvisionOSが持つ機能を活用できるからだとしている。
visionOSは、ユーザーの手によるジェスチャー操作に対応しているが、この機能をUnityアプリケーションで利用するには、Unityの「XR Interaction Toolkit」を利用する。また、ユーザーの視界の前に広がる3D空間を活用したアプリケーションだけでなく、ユーザーの目の前に現れるウィンドウに表示するアプリケーションも開発できる。既存のアプリケーションを手っ取り早くvisionOSに移植するには、この方法が最も便利だという。
ベータ・プログラムの申し込みはまだUnity TechnologiesのWebサイトで受け付けている。このWebサイトで申し込んだ後、ベータ・プログラム参加者に選ばれると登録したメールアドレスに通知が届く。
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CodeZine編集部(コードジンヘンシュウブ)
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