ソフトスキルを磨けばテクニカルスキルも上がる!? スキルの相乗効果でチャンスを掴む
そもそも仕事における「人間のスキル」とはどのようなものなのか、深澤氏はドラッカーのモデルを紹介。ドメイン固有の業務遂行力であり、エンジニアリングなど職人的なスキルである「テクニカルスキル」、チームや組織の中で円滑な関係構築やコミュニケーション、交渉などを行う「ヒューマンスキル」、組織をオーガナイズしていく「マネジメントスキル」、そして、思考能力・俯瞰的視野など、本質を見極めるマインド的な能力として「コンセプチュアルスキル」が全体を通して必要となり、そのバランスが重要になる。
深澤氏は、「どのバランスで投資するかは適性にもよるが、よほど特殊な人でなければ、さまざまなスキルがバランスしている方がうまくいくことが多い。変化が激しい時代の中で、組み換えやすく、幅広なポートフォリオが望ましい」と語り、さらに経営者としての観点から、「エンジニアのキャリア志向としてはテクニカルスキルを重視する人が多いが、実際に仕事の成果を出すスキルとしては、テクニカルスキルはもちろんながら、それ以外のソフトスキルの比重が高いと感じている。そこに一番のギャップを感じる」と評した。
事業における課題を認識し、そこに技術的に解決策を提示し、調整して実行に移すという、一連の流れを担える人が成果を上げられるのは当然とも言えるだろう。スペシャリストであっても、幅広くスキルを持つ人のほうが活躍していることが多い印象があるという。
それでは、自身の根幹的な技術以外のことを身につけるとどう役立つのか。深澤氏は「ビジネスの課題解決に役立つ技術は、組織で働く上での仕事の根幹。ソフトスキルが高まれば、高確率でテクニカルスキル上もプラスになる」と語る。実践的な場でテクニカルスキルを積み上げ、さらにソフトスキルを高めて成果を上げると新たなチャンスを得られるというわけだ。