実際に簡単なシステムを開発してみる
今回はサンプルとして、交通費を登録して経理に提出するためのシステム(以下、交通費精算システム)を作成します。
作成するサンプルプログラムの要件
交通費精算システムは、以下の要件を満たすものとします。
- 社員が交通費に関連する情報を登録する機能
- 登録した情報の検索
- 登録した情報を経理へ提出する機能
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データベースの作成
まずは、「1. 社員が交通費に関連する情報を登録する機能」を実現します。
ファイルメーカーProを起動すると、インストールした直後のデフォルト状態では図01の画面が表示されるので、[空のデータベースの作成]を選択して[OK]ボタンをクリックします。表示されなかった場合は、[ファイル]-[新規データベース]を選択します。
続いて、新規作成するファイルの名前を入力し、[保存]をクリックします(ここでは「交通費清算」)。WordやExcelで新規文書を作成するのと同じ簡単な作業です。これでファイルメーカーでは新規の空のデータベースを作成したことになります。
お使いのPCの環境にもよりますが、[作成]ボタンを押してから10秒ほど待つと「(ファイル名)のデータベースの管理」ダイアログボックスが現れます(図03)。そのウィンドウの下部では、[フィールド名]の入力欄にカーソルが点滅しています。そうなんです、もうフィールドを定義していいんです。早速、要件(1)の項目を順に定義していきましょう。見ての通り、名前を入力して[作成]ボタンを押すだけです。
[フィールド名]欄の横にはタイプを選択する欄があります。ここで入力すべきデータの種類、いわゆる「型」を決定していきます。他のDBによくある整数型や浮動小数点型など、複雑で多岐に渡る型をファイルメーカーは用意していません。あるのは「テキスト、数字、日付、時刻、タイムスタンプ、オブジェクト、計算、集計」の8種類だけです。ここでは、日付は日付タイプ、金額は数字タイプとして、その他はテキストタイプとして作成します。
ものの2分もあれば定義できたかと思います(図04)。項目の作成が終わったら、[OK]ボタンをクリックします。