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APC、Platform Engineeringへの取り組みを紹介 開発者のノンコア業務削減に寄与するサービスや伴走型サービスを提供

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 エーピーコミュニケーションズ(APC)は、Platform Engineeringプレス向け勉強会を実施し、Platform Engineeringの概要と、同社が実施するPlatform Engineeringへの取り組みを紹介をした。

 Platform Engineeringは、ガートナーが発表した「先進テクノロジのハイプ・サイクル:2022年」に登場したことや、日本でも2023年より「Platform Engineering Meetup」が各地で開催されるなど、急速に注目を浴びている概念。

 エーピーコミュニケーションズ 取締役 兼 ACS事業部長の上林太洋氏は、Platform Engineeringが注目されている背景として、2015年以降クラウドネイティブの時代に入り、開発者が取り組むべきことが増えてきたことを挙げる。

株式会社エーピーコミュニケーションズ 取締役 兼 ACS事業部長 上林太洋氏
株式会社エーピーコミュニケーションズ 取締役 兼 ACS事業部長 上林太洋氏

 IaC、コンテナ技術、開発サイクルの高速化など、さまざまな技術が登場し、開発者の認知負荷が増えていくと、付加価値の高い機能を実装するなどの開発者コアな業務への集中が難しくなる。「そういった状態を解消していくのがPlatform Engineeringのあるべき姿」と上林氏は説明する。

 実際に開発チームにおいて増加した業務(ノンコア業務)とは何か。

 例えば、従来はインフラチームが担当していたインフラ環境構築作業を開発チームが行うようになり、IaCやKubernetesへのデプロイのための定義ファイルの作成も、開発者の役割となりつつある。

 また、従来は運用チームが担っていた運用・監視についても開発チームの一部行うようになり、ログ/モニタリング用サービスの構築や運用も実施するようになった。

 さらにQAチームなどで行っていた品質関連の業務も、開発フローの中で行うことが増え、テスト計画策定や自動テストの実施などの業務もある。

 そして、ガバナンスを維持するために、WAFの導入などのセキュリティの担保や、レギュレーションが守られているかどうかのツール導入などの業務が求められることがある。

 このような開発者の認知負荷の削減は、IT人材不足やITエンジニアの働き方改革にも寄与できる。エーピーコミュニケーションズでは、Platform Engineeringを推進するためのさまざまな取り組みを行っている。

 まず、2023年9月にGitHubで公開した「ちょこっとBackstage」。ちょこっとBackstageは、Spotifyが2020年にOSSとして公開した開発者ポータル「Backstage」を、コマンド一つで気軽に使えるようにしたものだ。

 Spotifyが公開したBackstageは、開発に必要となるさまざまなインフラ関連ツールやサービス、ドキュメントなどをまとめて表示し、開発者は自身が必要とするツールや情報などをポータル上で簡単に見つけて利用することができるツールで、現在はCNCF(Cloud Native Computing Foundation)に寄贈されている。Backstageを使い始めるには公式ドキュメントにしたがってアプリケーションを生成し、データベースの用意や各種連携システムの設定など、いくつかのステップを踏む必要があり、利用のハードルがあった。

 「ちょこっとBackstage」は、docker composeコマンドを実行するだけでBackstageをすぐに利用することができる。

 さらに同社は2月13日、BackstageにAIを活用した拡張機能を加えたソリューション「Value Tracer」を発表した。

 「Value Tracer」では、ミーティングのビデオをアップロードすると、書き起こしの形で議事録が作成される。また、議事録を分析し、AIアシスタントBotが過去の議論内容を整理して表示することができる。

OSSのBackstageに拡張機能を加えたValue Tracerでは、議事録の作成やAIアシスタントを使った情報検索が可能に
OSSのBackstageに拡張機能を加えたValue Tracerでは、議事録の作成やAIアシスタントを使った情報検索が可能に

 現在はSOLIZE株式会社の新規プロダクト開発にValue Tracerを導入し、生産性の向上がどの程度あったかの検証を行っている。SOLIZE社では、議事録作成時間は月10時間削減、情報探索・確認時間は月30時間削減されるなどの効果が見られた。

 また同社では、Platform Engineeringの導入支援サービス「プラットフォームエンジニアリング推進支援サービス」3月5日に提供開始した。同サービスは、Platform Engineeringを実現する体制づくりや開発プラットフォーム立ち上げ支援、開発者ポータル立ち上げ支援を行うもの。開発プラットフォーム構築やプラットフォームチームの体制を伴走型で支援する。

 さらに同社では、Platform Engineeringに関する情報サイト「Platform Engineering Information hub」も公開している。

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この記事の著者

近藤 佑子(編集部)(コンドウ ユウコ)

株式会社翔泳社 CodeZine編集部 編集長、Developers Summit オーガナイザー。1986年岡山県生まれ。京都大学工学部建築学科、東京大学工学系研究科建築学専攻修士課程修了。フリーランスを経て2014年株式会社翔泳社に入社。ソフトウェア開発者向けWebメディア「CodeZine」の編集・企画・運営に携わる。2018年、副編集長に就任。2017年より、ソフトウェア開発者向けカンファレンス「Developers...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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