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Developers Summit 2024 セッションレポート

kubectlを使いこなそう! アプリ開発者のためのKubernetesトラブルシューティング

【15-D-4】Kubernetesは怖くない!開発者のためのインフラトラブルシューティング入門

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kubectlを使いこなしてKubernetesの状態を見てみよう

 高橋氏はインフラ領域の難しさについて、「知りたいことは一つなのに、いろんな手段を使わなければ知ることができないのが大変」と所感を述べた。OSによって見る場所や使うツールが違ったり、多くのコマンドを覚えなければならないため、これまではトラブルシューティングの際に「何が起きているか」を把握することが困難だったという。

 「Kubernetesを使うと、見る場所や見方が集約される」と、Kubernetesの導入メリットを語る高橋氏。先述のkubectlを使えば、基本的に全てのコンテナのログを確認できる。しかしこれらのログは永久に保存されるわけではないため、とくに本番運用において他サービスにログを転送している場合は、転送先サービスでの確認方法も理解する必要がある。

 Eventsの確認については、Kubernetesのリソース(Kubenetesで扱うオブジェクト)ごとに何が起こったかをチェック可能だ。各リソースには、どういったコンテナイメージを使っているか、どのノードマシンを使っているかといった情報が書かれている。高橋氏はこのリソースについて、「リソースを使うことで抽象的にやりたいことを扱えるというのが、Kubernetesの特徴の一つ」と示した。

 このリソースについて、高橋氏は代表的なものとして以下の3種類を挙げた。

  • Pod:コンテナを起動するための最小単位・リソース
  • ReplicaSet:Podを複数管理するためのリソース
  • Deployment:ReplicaSetを複数管理するためのリソース

 KubernetesにおいてはDeploymentがReplicaSet、ReplicaSetがPodを作っていくという多段構造になっており、公式ではPod単体ではなくDeploymentを使うことが推奨されている。他にもPodを複数自動的にルーティングするServiceというリソースもあり、Podを再起動するたびにIPアドレスが変わるという本番環境下において活用できる。

 「kubectlでアクセスする先にいろいろな情報がある」という高橋氏。「何となくでも何が起こっているかを把握するために、これだけは覚えてほしい」と、トラブルシューティングの際にも必要となるコマンドを3つ示した。

リソースの情報を取得するコマンド
kubectl get <リソース名>
リソースの詳細を表示するコマンド
kubectl describe <リソース名>
ログを取得するコマンド
kubectl logs <Pod名>

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kubectlを使ったKubernetesトラブルシューティング

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この記事の著者

中島 佑馬(ナカシマ ユウマ)

 立命館大学卒業後、日刊工業新聞社にて経済記者として勤務。その後テクニカルライターを経て、2021年にフリーランスライターとして独立。Webメディアを中心に活動しており、広くビジネス領域での取材記事やニュース記事、SEO記事の作成などを行う。

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山出 高士(ヤマデ タカシ)

雑誌や広告写真で活動。東京書籍刊「くらべるシリーズ」でも写真を担当。

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