テキストエディタとして活用(2)
禅モードを使う
禅モード(Zenモード)とは、エディタ上に表示されるUI要素をできるだけ少なくしてフルスクリーン表示とし、文章の入力・編集作業に集中できるようにするモードです。集中したいのは文章に限らずコーディングでも同じだと思いますが、書く、消す、以外の機能をあまり使わない文章の入力・編集作業では、特に禅モードは有用でしょう。
禅モードへの移行(切り替え)には、いくつかの方法があります(図3)。
- メニューから[表示]-[外観]-[Zen Mode]を選択
- コマンドパレットを開き([Command]+[Shift]+[P」/[Ctrl]+[Shift]+[P])、「zen」と入力すると「表示: Zen Modeの切り替え」がメニューに表示されるので選択
- キーボードショートカットとして[Command]+[K][Z]/[Ctrl]+[K][Z]
禅モードの解除は、[Esc]キーでも可能です。
以降は、拡張機能を紹介していきます。第3回でも、有用な拡張機能を紹介しているので参考にしてください。
【第3回】
- 改行文字の表示(code-eol):論理的な改行位置を分かりやすく
文字数をカウントする「Character Count」
文章の作成時には、「トータル○○文字で」と文字数が指定されていることも多いです。このときには、現在の文字数を把握しながらテキスト入力できると便利です。j4ng5yによる拡張機能「Character Count」を使うと、ステータスバーに現在の文字数が「123456 Characters」と表示されます(図4)。半角でも全角でも1文字としてカウントされます。
なお、同名の拡張機能がいくつかあるので、インストールの際には作者に注意してください。Adam Stevensonやillusionist-osminによる「Character Count」(stevensona.character-count、illusionist-osmin.charcount)は、Markdownファイルに特化された拡張機能です。Markdownのコマンド文字をカウント対象から外してくれるので、Markdownファイルを入力編集する際には、これらの拡張機能の方が便利でしょう。
行にブックマークを付ける「Bookmarks」
特定の行と行ったり来たりして編集作業を行いたいとき、見出し行に印を付けたいときには、行にブックマーク(しおり)を付けられると便利です。画面が狭くて分割すると使いにくい場合にも有用です。
Alessandro Fragnaniによる拡張機能「Bookmarks」を使うと、ブックマークの追加と削除、カーソルの移動をスピーディに行えます。
この拡張機能をインストールすると、基本的な機能としてブックマークの追加(Add Bookmark)とラベル付きブックマークの追加(Add Labeled Bookmark)を使えるようになります。エディタ左端の余白で右クリックするとメニューがポップアップするので、どちらかを選択します。前者はただのブックマークで、後者はラベル(名前)の付いたブックマークです。ブックマークを付けられた行には青いしおりのアイコンが付きます(図5)。
ブックマークのある行で同様の操作を行うと、ブックマークの削除となります。
この他の細かな操作は、GitHub - alefragnani/vscode-bookmarks: Bookmarks Extension for Visual Studio Codeを参照してください。基本的には、コマンドパレットを開いて「Bookmarks」と入力して表示される選択肢から目的の機能を選んで実行します。
- ブックマークのオンとオフ
- ブックマークへの名前付け
- ブックマーク間の移動(前後)
- エディタ左とオーバービューに表示できるしおりアイコン
- ブックマークの一覧
- ブックマークによる範囲選択
- プライマリサイドバーに専用アイコンの表示
拡張機能のインストールでプライマリサイドバーに専用アイコンが表示され、現在のブックマーク数がバッジで表示されます。クリックするとブックマークの一覧が表示されるので、一覧から目的の行にジャンプできます(図6)。
文章を推敲する「テキスト校正くん」
プログラムにはデバッグの工程がありますが、文章作成では「校正」がそれに該当するでしょう。外部に提出する文章は、事前にチェックを実施して基本的な誤りは正しておきたいものです。このときに、ICSによる拡張機能「テキスト校正くん」が使えます。大まかな機能について、拡張機能の「詳細」から引用します。
VS Code上でテキストファイル・Markdownファイル・Re:VIEWファイルの日本語の文章をチェックする拡張機能です。該当のファイルを開いた時、更新した時に自動で校正のチェックを行い、文章内の問題のある箇所をマーキングし問題パネルにエラー内容を表示します。
記載されている通り、ファイルを開いたときと、保存したときがチェックのタイミングです。また、リアルタイムでもチェックが実施されます。問題が見つかると、「問題」パネルにその内容が出力されます。問題とされるのは、「ですます」調と「である」調の混在、ら抜き言葉、二重否定、同じ助詞の連続使用、同じ接続詞の連続使用などですが、詳細は拡張機能の「詳細」を参照してください。