はじめに
近年、ソフトウェア開発における生産性向上を目的として、AIエージェントが注目されています。AIエージェントは、コード補完やドキュメント生成といった機能を提供し、開発者の負担減少が期待されています。
さまざまなAIエージェントが開発、利用され始めていますが、本記事では、AIエージェントに関わる最新AWSアップデートを紹介した上で、「Cursor」と「Amazon Q Developer」の2つのツールについて紹介します。
AWSのAI関連アップデート情報
Amazon BedrockでClaude 3.7 Sonnetモデルの提供開始
Amazon Bedrockで、Claude 3.7 Sonnetのモデルが利用可能になったことが発表されました。
このモデルは、Anthropicがハイブリッド推論モデルと呼んでおり、直感的に素早く回答するモードと、深く考察した回答を導き出すモードをうまく使い分けできる、性能の高いモデルとされています。
Amazon Q Developerが提供するAmazon Q CLIにAIエージェント機能が追加
Amazon Q DeveloperのCLI(コマンドラインインターフェース)にAIエージェント機能が追加されたと発表がありました。
Amazon Q DeveloperはAmazon Bedrockを搭載するサービスですので、Claude 3.7 Sonnet等の最新モデルからの回答を得ることができます。ただし、現時点ではユーザ側では利用モデルを選択できない点にご留意ください。
これにより、開発プロセスの効率化が期待できます。
Cursorについて
AIエージェントとして名が挙がるツールの一つに、Anysphere社が提供する「Cursor」があります。CursorはAIエージェント機能を搭載したコードエディタであり、コードの自動生成やデバッグ等による開発効率化を実現します。
Cursorの画面イメージは以下の通りで、赤枠で囲んでいるチャットタブでAIエージェント機能を利用できます。AIエージェントにコーディングに関するタスクの指示を出すことで、エディタ上にその内容が反映されていきます。

主要な特徴は以下の通りです。
連携できるモデルが豊富
Cursorの設定画面から、利用できるモデルを選択することができます。本記事で紹介しているClaude 3.7 Sonnetや、OpenAI o1モデル、Googleが提供するGeminiなども連携可能です。

Visual Studio Codeの拡張機能がインポート可能
CursorはVisual Studio Codeをベースに開発されたツールであるため、Visual Studio Codeで利用している拡張機能などをインポートして使用することができます。
通常、使用しているエディタを変更すると、これまで利用していた拡張機能が使えなくなったり、再度同じような拡張機能を探す手間がかかったりします。メジャーなコードエディタであるVisual Studio Codeの拡張機能をインポートできる点はメリットの一つです。
利便性の高さ
CursorのAIエージェント機能は日本語に対応していますので、タスクの指示、やりとりは日本語で実施可能です。
また、コードエディタで特定のコード部分を選択して質問を投げかけたり、コーディングの修正を依頼したりすることができ、コードエディタとAIエージェントの機能が使いやすく統合されていると感じました。AIエージェントと共にコーディングやデバッグを進めるような感覚で利用できます。