キャリアの転機で大事にした3つのポイント
パーソルホールディングスで新しいキャリアのスタートを切った桃井氏。最初は、前職のベンチャー企業との違いで戸惑うことも多かった。
「企業の規模や事業内容、業種の違いによって、考え方や社内文化が全く異なると感じました。自分の知らない業務フローがたくさんあって若手社員に教えてもらうこともありました」
そんな新しい環境で、桃井氏は「今までのやり方は通じないのが当たり前」と考えて、分からないことを恥ずかしがらずに伝え、相談する先を増やすように意識した。
一方で、前職では当たり前で特別なスキルとして捉えていなかった部分が、役に立つこともあった。前職ではプロジェクトマネージャーを明確に定めずに、各自でタスクを生成・管理してアジャイルに進めていたが、その経験がプロジェクトマネジメントのスキルにつながっていた。
他にも、業務を円滑に進めるために、年代問わずに積極的にコミュニケーションを取ったり、雑談に参加したりすることも、チームを活性化するマネジメントの一つであることに気づいた。
そうした働き方が評価され、桃井氏はチームリーダーに任命された。「マネジメント力を高める」という転職時の目標をかなえるチャンスだったが、前職では数名のメンバーの管理しかしたことがなく「10名を超えるチームのリーダーは正直プレッシャーが強かった」と振り返る。
とはいえ、部長職を引き受けたときと同様に「できるかどうかはやってみないとわからない」という気持ちで承諾。その結果、チームリーダーとして働く中で、マネジメントスキルの向上を実感することができた。主に以下の取り組みを行い、それぞれから学びを得ることができた。

チームリーダーの経験を経て桃井氏が感じたのは、「会社によって求められるマネジメントの形は異なるものの、どの環境でも共通して求められるのは人間力」であること。
「人間力とは、信頼関係を築き、相手を理解し柔軟に対応する力。仕事や人間関係を円滑に進めるための総合的な能力です。図には細かいスキルを書きましたが、人間力が土台となってチームの信頼を築き、目標を達成するための重要な要素として機能すると考えています」
そのうえで桃井氏は「これまで培った経験や知識は、人間力を高めるための大切な土台」と言い、さらに「その土台をもとに、こうあるべきという固定概念にとらわれず、さまざまなことに臆せずチャレンジすることで人間力をさらに高めていきたい」と語った。
最後に、いくつものキャリアの転機を乗り越えてきた桃井氏が、キャリアの分岐点において大事にしていることを3つ紹介した。
一つ目は、「軸」を持つこと。「キャリアを見つめ直したときに、譲れないものがきっとあるはず」と桃井氏。桃井氏も、技術のスキルアップやマネジメント力の向上といった軸をぶらさずに、キャリアを選択してきた。
二つ目は、「とりあえずやってみる」こと。軸が定まっていれば、めぐってきたチャンスをとりあえずやってみることが、必ず自分の成長につながるはずだ。たとえ失敗してもそれは無駄にならない。
三つ目は「なんとかなる」精神だ。桃井氏いわく、「なんとかなるという気持ちで挑戦してきたことが、現在につながっていると感じている」。キャリアアップにチャレンジしたり、新しい業務や未経験の領域を担当したりするときには、「なんとかなる」精神でやってみてほしいと励ました。
桃井氏は、自身のこれからのキャリアプランとして「子供が小学生になるまでは時短勤務を続ける」と話す。そのためには、短い時間でも成果が出せるように、工夫を重ねていく必要がある。
「人間力を高めることも、今後の目標の一つです。現在は若手メンバーのプロジェクトの支援にも取り組んでいます。フォローの仕方やコミュニケーションを磨いていくほか、今回の登壇のように新しい挑戦もやっていきたいです。もちろん、マネジメント力の向上にも引き続き向き合っていきます」
桃井氏のインタビュー記事もおすすめ!
パーソルのテクノロジーに関する取り組みを詳しく紹介するメディア「TECH DOOR」では、桃井氏のインタビュー記事を公開しています。より詳細な話が掲載されていますので、ぜひご覧ください。