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Developers Summit 2025 KANSAI セッションレポート(AD)

あなたのコードが移動を変える!Hondaの思い描く「協創」と車載アプリ開発のリアル

【B-2】Hondaがいま考える、企業コラボレーションと車載アプリのこれから

アプリがクルマに搭載される時代!Hondaの新たな価値提供

 ではHondaではどんな協創をしているのか。Hondaの協創の歴史について紹介したのは、高橋氏と同じくナビやコネクテッド機能の開発に携わる川口健志氏である。川口氏も2024年にHondaに中途入社。前職でも、IVIのソフトやカーナビ、音響設計などに携わっていたという。

本田技研工業株式会社 四輪事業本部 SDV事業開発統括部 スマートキャビン開発部 インフォテイメントソフトウェアプラットフォーム開発課 川口 健志氏
本田技研工業株式会社 四輪事業本部 SDV事業開発統括部 スマートキャビン開発部 インフォテイメントソフトウェアプラットフォーム開発課 川口 健志氏

 「Hondaはこれまで多種多様な企業とコラボレーションしてきました」と川口氏は言う。その一例として最初に紹介されたのが、金融業界とタッグを組んで車載機器を決済端末にした事例。2017年1月には、米国最大のテクノロジー見本市「CES(Consumer Electronics Show)」で、In-Vehicle Payment(車載決済)のデモを実施したという。

 またドワンゴとは、車速や走行距離などの情報に応じて、初音ミクがドライバーに語りかけるスマートフォンアプリ「osoba」を開発。最近の話題として紹介してくれたのが、伝説のポケモン「コライドン」を、Hondaの技術力でリアルなモビリティとして再現した事例。「これはビジネスではなく、夢を原動力に、人や社会に喜びを提供するという理念を体現した活動です」(川口氏)

 IVI領域での企業コラボレーションは、2010年代前半から車載IVIのOSとしてAndroidの検討を開始したことから本格化した。2016年にはスマートフォンの機能を車で使うため、Apple CarPlayやAndroid Autoを搭載。2019年にはシリコンバレーのAIアシスタントベンチャーと協業して「Hondaパーソナルアシスタント」を商品化している。さらに2021年には、Amazonと協業し、Amazon Alexa Built-inを、直近ではGoogleとのコラボにより、Google Automotive Services(GAS)を搭載している。「このようにIVI領域でも最新技術を取り入れ、日々、進化させています」(川口氏)

 今後、どのような企業コラボレーションが行われていくのか。「今は100年に一度の大変革期。技術動向、顧客ニーズがめまぐるしく変化しているので、先を読むことはできません」と川口氏。こういう時代に大事になってくるのは、スピーディーに市場に投入し、フィードバックをもらうこと。「これを実現するには、規模や業態にこだわることなく、自由な発想のスピード感あるコラボレーションが必要だとHondaは考えているのです」(川口氏)

 その具体的な取り組み例の1つが「Honda Android Automotive OS Emulator」の公開である。これにより企業だけではなく、個人でも、誰もが車載環境上で動作するアプリを自由に開発、テストできるように整備したという。

誰もが自由に車載アプリを開発できる環境「Honda Android Automotive OS Emulator」
誰もが自由に車載アプリを開発できる環境「Honda Android Automotive OS Emulator」

 もう一つの取り組みが、IVIにGoogle Playを搭載したこと。これによりHonda車のIVIは、Google Playを通じてサードパーティ製アプリケーションを車内に直接、導入できるようになる。つまり車両購入後もアプリの配信という形で新しい価値を提供し続けることができるわけだ。

 「Hondaのプラットフォーム上で、ともにイノベーションを起こす仲間を広く募集する。そして新しいクルマの価値を一緒に作っていきたいというのがHondaの想いです」(川口氏)

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出会いからテストまで、車載アプリのリアルな開発フローとは

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この記事の著者

中村 仁美(ナカムラ ヒトミ)

 大阪府出身。教育大学卒。大学時代は臨床心理学を専攻。大手化学メーカー、日経BP社、ITに特化したコンテンツサービス&プロモーション会社を経て、2002年、フリーランス編集&ライターとして独立。現在はIT、キャリアというテーマを中心に活動中。IT記者会所属。趣味は読書、ドライブ、城探訪(日本の城)。...

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岩本 隆之(イワモト タカユキ)

 1986年 兵庫県神崎郡出身 2009年 関西大学卒業 学生時代より写真・映像制作を行う。 写真撮影スタジオ勤務ののち、2020年独立。 現在は大阪市在住。 広告写真を中心としながら、ジャンルを問わず活動中。 HP Instagram

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