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FileMaker Pro 実践チュートリアル(AD)

基幹システムやERPと連携したFileMaker Proの利用

最終回 RDBMSとの連携運用

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外部データソースとしてFileMaker Proデータベースに登録する

 FileMaker ProからODBCを介してRDBMSを使用する場合、「外部データソース」としてFileMaker ProにODBCデータソースを登録します。ここでは、事前に作成登録しておいたRDBMSへアクセスするためのODBCデータソースを選択します。

作成ボタンをクリックして、外部データソースの管理にあらかじめ作成しておいたデータソース(DNS)を登録する
作成ボタンをクリックして、外部データソースの管理にあらかじめ作成しておいたデータソース(DNS)を登録する
指定ボタンをクリックして、マシンに登録されているODBCデータソース(DNS)のリストを表示
指定ボタンをクリックして、マシンに登録されているODBCデータソース(DNS)のリストを表示
ODBCデータソース(DNS)のリストから、目的のODBCデータソース(DNS)を選択する
ODBCデータソース(DNS)のリストから、目的のODBCデータソース(DNS)を選択する
「DSN:」欄に目的のODBCデータソース(DNS)名が表示されていることを確認して、[OK]ボタンをクリックする
「DSN:」欄に目的のODBCデータソース(DNS)名が表示されていることを確認して、[OK]ボタンをクリックする
外部データソースとして、RDBMSへアクセスするためのODBCデータソースの登録が完了
外部データソースとして、RDBMSへアクセスするためのODBCデータソースの登録が完了

 ここまではFileMaker ProにODBCデータソースを認識させたに過ぎません。FileMaker Proのスクリプトやレイアウトで使用するためには、リレーションシップグラフにテーブルオカレンスの形で、外部データソースで参照できるRDBMS側のテーブルを配置する必要があります。

 この方法もFileMaker Proユーザーとしては特別の設定を行うわけではなく、外部のFileMaker Proデータベースを外部データソースとして登録する手順となんら変わらないところがFileMaker Proの良いところでしょう。

テーブルオカレンス追加ボタンをクリックして、テーブルを追加する
テーブルオカレンス追加ボタンをクリックして、テーブルを追加する

 リレーションシップグラフから[テーブルオカレンス追加]ボタンをクリックし、登録したデータソースを選択すれば、リレーションシップグラフにテーブルオカレンスとしてRDBMSのテーブルをFileMaker Proから利用する準備が整います。

データソースから、先ほど追加した外部データソースを選択
データソースから、先ほど追加した外部データソースを選択
外部データソースで選択可能なテーブルが表示されるので、選択して[OK]ボタンをクリック
外部データソースで選択可能なテーブルが表示されるので、選択して[OK]ボタンをクリック
プライマリキーとなるフィールドが存在しない場合には、設定するためのダイアログが表示される
プライマリキーとなるフィールドが存在しない場合には、設定するためのダイアログが表示される
リレーションシップグラフに外部のRDBMSに存在する「Cost」テーブルが追加される
リレーションシップグラフに外部のRDBMSに存在する「Cost」テーブルが追加される

FileMaker Proから外部データソース側のレコードを操作する

 FileMaker Proにテーブルオカレンスとして登録されると、FileMaker Proは自動的にデータの入出力用にレイアウトを作成してくれます。複雑な操作ではない場合は、FileMaker Proからはこのレイアウトを使用して、直接RDBMS側のレコードを操作できます。例えば「レコードメニュー」から「新規レコード」を選択すれば、それだけの操作で新しいレコードをRDBMS側に作成することができます。

 また、既存のレコードに対する変更は、FileMaker Proのレイアウトに表示されているRDBMS側のレコードの値を書き換えて、[Enter]キーでレコードを確定させるだけです。

 もちろん、FileMaker Pro側に作成してある通常のテーブルと、テーブルオカレンスに登録されているRDBMS側のテーブル間でリレーションシップを定義することも可能です。

外部データソースとして参照しているRDBMS側のテーブルとFileMaker Proのテーブル間でリレーションシップを定義する
外部データソースとして参照しているRDBMS側のテーブルとFileMaker Proのテーブル間でリレーションシップを定義する

 このようにRDBMS側のテーブルに対して簡単に操作が行えてしまうというのも、少々危険な気もしますが、RDBMS側に対する権限とアクセスのルールを定めておくことで、多くの心配要因を回避することができます。

 そもそも、ESSを使用してRDBMS側のテーブルを操作する場合、レコードの作成とフィールドデータの変更や、レコードの削除といった基本的な操作のみが許可された機能になりますので、RDBMS側のデータベース構造に変更を加えるような処理をFileMaker Pro側から行うことはできません。

 このようにFileMaker ProとRDBMSは簡単に連携することが可能ですが、企業で稼働中の基幹システムや部門システムのRDBMSとFileMaker Proを連携させる場合には、やはりそれなりのルールを策定してからでなければ、基幹システムや部門システム側とFileMaker Pro側の双方で、データの信頼性に問題が生じてしまう可能性があることも忘れてはいけません。

次のページ
FileMaker Proだと何が便利なのか?

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この記事の著者

高岡 幸生(タカオカ ユキオ)

株式会社ジェネコム 代表取締役。ソフトウェアハウス数社にて経験を積み、1995年 ジェネコム設立。10数年にわたりシステム開発や、エンドユーザコンピューティング・コンサルタントとしてビジネスを展開。クライアント企業のIT部門の代わりの役割を担い、多くのクライアントと二人三脚で企業内IT環境の導入およ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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